ワンコイン・ムービ-レビュー

ワゴンセール等で500円程度で投げ売りされている映画を愛するブログ

シャーロック・ホームズ vs ヴァンパイア

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あらすじ

ジッチャンの名にかけて!

 

 あらすじ通り、本作は名探偵コナンのような普通の推理物である。犯人は吸血鬼のふりをして犯行に臨む。推理の根拠は結構強引と言わざるを得ない。「犯人の書いた文字は右上がりや!よって犯人は左利きや!」はともかく、「犯行時、現場にいた人間が感じたのは犯人が使っている模型に使用する塗料や!」では映画で匂いを表現することの難しさを身をもって証明する。「殺人事件のくせに死因が全て心不全」問題もさることながら、「ホームズがピンチになると都合よく地震が起きて犯人をしばいてくれる」問題も中々シュールだ。

 

 登場人物ちょっと多すぎやしませんかプロブレムも発生している。教会が舞台ということもあって修道士の数がやたら多い。みんなローブを深くかぶってシスターだのブラザーだの言ってる、この連中は見分けるのに一苦労な上、大して個性があるわけでもない。加えて警察から取り調べをくらう黒人博士に至っては、どうみても「めちゃくちゃ怪しいけどこいつ絶対犯人ではないのが確定枠」の人材であるため出すだけ無駄だということを喚きたい。

 

 いいところも述べておこう。本作の舞台は霧の都ロンドン。湿った街中の雰囲気は良く出ていた。ぶら下がるように重く濡れた石レンガ、石畳…。

 

 ホームズとワトソンの歩行リズムが一致しているのもナイスポイントである。もちろん軍人の様に左左左右というわけにはいかないが、カツコツと調子を合わせて響く靴音は軍楽隊となって2人を共に歩む戦列歩兵へと装飾する。

 

 もう一度書くが、本作は普通の推理物である。なぜ重ねて書くかというと私は間違えたからである。ホームズvsヴァンパイア!このタイトルを見た私は、「おっ、ホームズがヴァンパイアとタイマン張るんか!使う銃はエンフィールド銃かな?買ったろ!」などと知能指数の低い脳みそで考え、まんまと期待を裏切られたのである。これも全て配給という名の巨悪が仕組んだ罠であることは自明である。私はこのような配給の陰謀に負けることなく、様々な映画に出会っていきたいと考えている。

 

 

総合評価・星3つ(500円の価値有)

★★★☆☆

 

以上