ワンコイン・ムービ-レビュー

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忍者ゾンビ

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あらすじ

日系人の祖先より伝わる秘密の箱。封印されていたのは1本の巻物と古い日本刀。それは織田信長が遺した死者を蘇らせる“地獄の剣”だった…(パッケージより抜粋)」

 

 パッケージを見た時、どうせこれはゴミだなと思った自分を恥じた。最初から色眼鏡で見ることは物事にラベルを貼ることである。ではラベルをはがして本作を見つめてみよう。本作はゴミである。しかもラベルをはがした跡に糊がこびりついている。

 

 戦闘シーンから熱さや躍動感を得ることは全く不可能である。役者が刀に使われていると言えばその肉体操作の程度を理解してもらえるだろうか。塩ビ管を振り回してポコポコ殴り掛かってくる忍者ゾンビのショボさもさることながら、脂肪を腹に蓄えたハゲのオタクがブロードソードと木の盾を装備して街中を出歩く様は正視に耐えない。拳銃の発射音は百均の火薬銃以下。ゾンビを倒すごとに画面を彩る血しぶきも安っぽくてファックである。

 

 主人公の使う日本刀には16世紀の先祖の魂が封じ込められている。どうやって魂を込めたのか、その回想シーンがあまりにも酷い。魂を込める儀式はジャパニーズ・セップク・スタイルで行われる。刀を腹に突き刺した次の瞬間、だらしなく開かれた先祖の目と口から光り輝くドライアイスの様な魂が刀身へと送り込まれるのである。おふざけが過ぎる絵面。どう擁護してもこれはゲロを吐くマーライオン以下である。

 

 精神世界で主人公と先祖が対話するシーンは輪をかけてひどい。2人の背後には強烈なバックライト、それを中心として放射線状に画面がブレてピントがボケる。体の一部は拡大縮小され、顔のほうれい線や鼻の孔が不気味にアップになる。ミラーハウスで遊んでるんじゃねえんだぞ。

 

 復活した織田信長はどうなるんだとか、地獄の剣を封印するためには人柱が必要だがこれをどう回避すべきかといった設定はドブに投擲され、戦いはこれからも続く!でThe Endである。

 

 いっそう腹が立つのは、これら低品質演出を製作側がわかってやっているだろうということである。ハゲデブオタクのTシャツには「適当な日本語です」とプリントがなされ、16世紀の先祖は「俺は英語をしゃべるが細かいことは気にするな」とのたまう。つまり初めから開き直っているのだ。結局本作は製作陣の内輪のお遊戯会にすぎない。視聴者を置き去りにしておふざけに走る。こいつらのおふくろの面を拝みたくなる作品に敬意をこめて星を送りたい。

 

 

総合評価・星1つ(神が憐れむレベル)

★☆☆☆☆

 

以上