ワンコイン・ムービ-レビュー

ワゴンセール等で500円程度で投げ売りされている映画を愛するブログ

タイム・パニック

f:id:public-technocut:20181101174011j:plain

あらすじ

「インディアンのオッサンが社会に逆切れして呪術を行使。すると精霊が恐竜の化石に乗り移って地域住民を殺傷し始めた!」

 

 本作は500円映画として十分及第点を与えることができるお手軽娯楽作品である。化石が襲ってくるってそれ恐竜映画と比べてショボく映らないのかなどと心配したが余計なお世話だった。バズーカでバラバラになった化石のパーツが再構成されて復活するシーンや、ティラノサウルスプテラノドンの化石が合体して空飛ぶティラノサウルス登場!のシーンなど、生身ではできない化石だからこその味を生かした展開は魅力的だった。これら長所の前ではにわかキモオタのグチなど無視されてしかるべきである。例えば「M72の照準器が実物と違う」とか「なんで保安官がROTCの士官候補生を指揮してるんだ」とか。ただ本作もパーフェクトではない。看過できない2つの点がある。逆に考えればそれさえ受容できれば本作はパーフェクトである。残念ながら私にはできなかった。

 

 1つ、それはインディアンのオッサンの動きがあまりにも状況にそぐわず気色悪い点にある。呪術によって自律して人を襲う化石、これを倒すためにはやはり呪術だろうと結論づけた登場人物たちは「呪術によって曇天を呼び寄せ雷を相手に落とす」策を講じる。言ってしまえばラナリオンからのライデインである。ここで披露されるインディアンのオッサンのアクションが酷い。「アイヤァァーッ、ハイィィーッ」とか叫びながら阿波踊りとどじょうすくいを合体させた珍妙な動きで街を行進する。ティラノサウルスの化石の前では元気玉のポーズをとってブツブツ喚き無事どつかれる。壁に吹き飛ばされズリズリと下に落ちていく彼はどう擁護してもオクレ兄さん状態である。

 

 2つ目は女性陣が非常にムカつくという所である。彼女たちが必要性のない行動をとろうとして反対されるシーン、そこでは論理も信念も無くただひたすらニタニタ笑いで「おねが~い♪」とおねだりをする醜いメスブタの姿が映るだけである。寛大な人なら受容できるのかもしれないが、私は器が小さいのでこの手の人種が大嫌いである。趣旨とか義務とか、あるいは具体的根拠や使命感は無いくせに「おねがい」だの「まかせてください」だの「私が信じられないの」だの冗談ではない。こういう甘いワードで押し切ろうとする行為って浮気して逆切れするやつに通じるものがあると思うがいかがだろうか。

 

 長々とネガティブ要素を書きなぐってしまったが、俯瞰的に見れば本作はまともな作品に分類される。雷雨の中滑空する翼の生えたティラノサウルスが見たい方はぜひワゴンへ!

 

 

総合評価・星3つ(500円の価値有)

★★★☆☆

 

以上