ワンコイン・ムービ-レビュー

ワゴンセール等で500円程度で投げ売りされている映画を愛するブログ

ボクの熱気球

f:id:public-technocut:20181023094140j:plain

あらすじ

「両親を失いババアに虐待されていたガキがショッピングモールを根城にママを求めて右往左往」

 

 本作に登場するキャラクターは多すぎず少なすぎずのちょうどいい数であり、そこそこ濃い。主人公を虐待するババアは彼を強制労働させて自分は遊ぶ、経営者の模範の様な女である。主人公がいなくなった時にはチェーン付きの首輪を振り回して店の中を駆け回る。そんな彼女の仕事は、婦人服店で服からボタンをむしり取って盗みそれを売りさばく事である。なかなかえげつないオバハンじゃないか。利益出るのかその形態。

 

 ショッピングモールに勤務する良い人すぎるイケメンはデリシャスである。彼は良い人通り越して聖人である。彼は主人公とヒロインがショッピングモールで生活することを黙認するばかりか手助けまでする。店の売り物を着たり食べ物を頂いたりは日常茶飯事、勤務中に主人公の里親探しするわ、真夜中にインターホン連打されてもキレずに中に迎え入れるわ、あげくラストでは彼らの義父になる。さっき聖人と書いたが一歩間違えればドMの変態である。あまりにもご都合主義でやりすぎじゃねえのとの思いは捨てきれないが憎めない。彼はスーツが似合っているのである。黒のスーツに黄と緑を基調にしたシャツとネクタイ、靴下は赤である。これが似合う奴ってなかなかいないと思いますよ。

 

 ショッピングモールの上品な女支配人の愛車は非常にわかりやすい。それはジープで、ドン引くぐらい泥まみれなのである。ウェザリングやりすぎAFVプラモもびっくりである。流れてゆく景色をぼんやりと映す泥だらけの車窓は「都会の暮らしはクソや!ワシはアフリカでラリーのレースにでたいんや!」という彼女の心のもやもやを表している。

 

 ろくでもない悪役には天誅が下り、まともな人間にはハッピーがやってくる本作は、ご都合主義に目をつぶれば、安心設計の娯楽作品である。あえていうなら主人公とヒロインのガキがかわいくない。主人公はブタ鼻でかんしゃく持ちだし、ヒロインはジャー・ジャー・ビンクスな顔面で性格ひねくれてるし、こいつらに寄り添おうという気になったイケメンはやっぱりイケメンなのだろう。

 

 

総合評価・星3つ(500円の価値有)

★★★☆☆

 

以上