ワンコイン・ムービ-レビュー

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クレイジー・コップ 捜査はせん!

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あらすじ

ポンコツ刑事がバグる」

 

 素行不良の所轄の刑事たちが、公安部のムカつく上司と絡みつつ、スパイを追うというのが本作の筋ではあるが、無視してかまわない。パッケージによると本作はコメディ映画らしい。ストーリーはあって無きが如し、道中で垂れ流されるギャグを見る作業を87分行うのが本作である。

 

 映画誕生100周年を記念して製作された笑大作!、そうパッケージは語る。そのギャグを受容できる寛容な人々を想定してみよう。それは「うんこ!」「ちんこ!」といったワードで爆笑できる精神年齢を防衛している人々である。

 

 「嫌いな奴の靴に画びょうを仕込もうと思ったらバレてしもた!がびょーん」「米屋がおこめ券をおめこ券と書き間違えてる!」「ニワトリのコスプレしてソファの上を飛び回ってたら銭湯にテレポートしちゃったぜ」「ワライダケを食べて延々ダンス」、本作で提供されるサービスはこういった類のものである。ギャグをどう感受するかは人それぞれであるが、私に関して言えることは、87分間、私の顔面が硬直していたということだけである。ラストは笑いながら時限爆弾を囲んで爆発オチ。ラストに限らず、本作では爆発オチの多用が見られる。好きなんや!使いたいんや!という気持ちはわかるが、量の増加は質の低下ということを忘れないでいただきたい。

 

 間寛平以外の出演者は知らないが、おそらくは多くがコメディアンだろう。彼らの演技は身振り手振りが大きく表情の動きが豊かであった。彼らの努力は認めるが、個人の頑張りでひっくり返せるものには限度がある。岩本徹三や舩坂弘が何人いたところで太平洋戦争に勝てないのと同じことである。

 

 あえて無理やり擁護するとすれば、精神年齢の低い、子ども達に、本作を提供することが考えられる。子どもの豊かな感性なら、私のそれより多くのものを見つけてくれるかもしれない、そう信じることは十分可能だ。それができないなら、スズメ除けとしてこのDVDを吊るすぐらいしか用途はない。

 

 

総合評価・星1つ(神が憐れむレベル)

★☆☆☆☆

 

以上