ワンコイン・ムービ-レビュー

ワゴンセール等で500円程度で投げ売りされている映画を愛するブログ

イン・ザ・スカイ

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あらすじ

「愛のかたち」

 

 車にはねられた主人公の兄やんは死亡、天使となる。天使は言霊で現世の人間に影響力を及ぼすことができる。主人公には妻がいた。彼女は悲しみを背負いながらも新しいパートナーを見つけ歩んでいこうとする。主人公は彼女を複雑な感情で見守る。

 

 描写されるのは、愛した人の幸せを願うと同時にその幸せの中に自分がいないことに耐えられないという主人公の気持ちである。主人公は葛藤の末、自分のいない世界で妻が幸せを見つけることを望む。すなわち本作は無償の、自己犠牲的な愛を称える物語である。

 

 主人公はパトルイユ・スイスのパイロットという設定なので、本作では曲技飛行のシーンが挿入される。ストーリーには関わってこないとはいえ、そのシーンは素晴らしい。飛行する編隊、機体と機体の間隔がとても狭い。以前見た航空祭でのブルーインパルスが思い出される。

 

 中でも気に入ったのはコックピットからの映像だ。皆さんご存知の通り、パトルイユ・スイスが使用するF-5戦闘機は20mm機関砲を2門、機首から突き出す様に装備している。天空へ、大地へ、縦横無尽に暴れまわる音速の翼。その運動エネルギーは、無音で咆哮する機関砲により視覚化されるのである。

 

 80分という上映時間が示す通り本作はコンパクトな作品である。複雑な筋というわけでもなければアホな登場人物もいない。レビューに多文を要しない佳作である。

 

 

総合評価・星3つ(500円の価値有)

★★★☆☆

 

以上