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アルマゲドン2012 マーキュリー・クライシス

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あらすじ

「水星が落ちてくる」

 

 太陽フレアの影響で水星が強力な磁気を帯び、地球に向かってGoing。これに対し米国政府はミサイルで迎撃を試みるという何度見たかわからない斬新で革命的な作戦を実行し、無事失敗する。迫りくる危機に対して、主人公の天文学者が<<プロジェクト7>>による迎撃を試みる。それはエネルギーバリアー波で強化された小惑星型宇宙船で体当たりをかまして水星を跳ね飛ばすという、よく言えば豪快、悪く言えば低脳なアイデアである。これが成功して世界は救われハッピーエンド。これが筋である。

 

 ところで上述の<<プロジェクト7>>で使用された小惑星型宇宙船についてであるが、そのデザインが『ドラえもん のび太とブリキのラビリンス』にでてきたそれとよく似ていた。体当たりなる非知性的な解決法も考慮して、『ドラえもん のび太と特攻』なるビッグジャップエンパイア的別名を本作に与えたい。共通点はある。特攻はクソであり本作もクソである。

 

 主人公の天文学者のオッサンは、終始ドブネズミの様にコソコソする。上司に「お前の作戦はナンセンスだ」と言われると「ハッキングでプロジェクト7を実行しよう」とする。ここまでならまだしも、その後はひたすら警備員を殴るか車でドライブするかである。ラスト数分でようやくUSBをコンピューターに差し込みデータを転送、活躍はそれだけである。これのどこがアルマゲドンだ。

 

 設定や小道具も本作の魅力を底上げしてくれる。「接近した水星の磁力のせいで金属製品が宙に吸い上げられる!車も街灯もめちゃくちゃでインフラは壊滅だ!」という絶望的な状況で主人公たちの車は平常運転。これが特権階級か。ブルジョワの豚どもめ。サンプルとして採取された隕石は、漬物石ほどの大きさで、強力な磁力を有する金属製の物質である。その質感は発泡スチロール丸出しの高級感。それを忖度して軽々と持ち上げる役者の動作がミゼラブルを加速させる。

 

 唯一良かったところは、スペースシャトルの飛行シーンである。ここだけCGが良く作られていた。小惑星の中をかいくぐる星間飛行のシーンはそれなりに迫力があった。しかしである。操縦シーンの悲惨さがせっかくの良所を減殺しているのである。それは宇宙飛行士役のオバハンがラジコンのコントローラーみたいなのを持って「アアアーッ!」と叫びながらブルブル振動するという絶望的喜劇である。神よ。

 

 

総合評価・星1つ(神が憐れむレベル)

★☆☆☆☆

 

以上