ワンコイン・ムービ-レビュー

ワゴンセール等で500円程度で投げ売りされている映画を愛するブログ

テキサスSWAT

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あらすじ

「ヒゲマッチョが武器密輸マフィアをどつきまわす」

 

 主人公であるヒゲのオッサン、彼は臭い。顔や胸毛を湿らす汗、砂ぼこりで汚れたベスト、退色した帽子、シャツは脇汗でコーティングされている。錆びた水筒の水で口をゆすぎ吐き出す、とどめは泥と砂まみれの4WDである。私は匂いフェチではないが、それでも、もうこんなの最高じゃないですか奥さん。

 

 銃器のセレクションも素敵である。S&Wのマグナムリボルバーをはじめ、M60重機関銃やM72ロケットランチャー、レバーアクションライフルに木製銃床のボルトアクションライフル、あげくソウドオフ・ショットガンとくる。それらの中からスターダムにのし上がったのはM10イングラムである。敵味方問わず多用されるそれは、直線で構成された角ばった武骨なフォルムと、その大きさからくるチープ感が同居する奇妙な銃である。そこに加えて毎分1,200発の発射速度がもたらす制圧力、パワー、これを見て勃起しない奴は赤ひげ薬局に行くべきである。

 

 そう、パワーである。主人公が4WDごと土葬されたシーン、ここからどう逆転するのかと楽しみにしていると、単純にアクセルふかして地中から4WDが出てきて解決である。どんなパワーやねん。でも素敵やん。重機関銃搭載のM3ハーフトラックにブルドーザーで特攻をかけるシーンも見ものである。ドーザーのブレードは防弾板じゃないよ!

 

 残念な点はヒロインの女である。彼女はただ華として出されただけの女であり、そもそもこういう臭い映画にヒロインが必要なのか私にはわからない。オッサンがヒロインでいいじゃないか。実際、彼女は家に勝手に入って掃除したり、主人公に水かけてジャレあったりする。しょうもない。そのシーンのたびに臭さが消える。それでもせめて、彼女が主人公の精神的支柱になっているならば許せたものの、彼女は同僚を失って落ち込む主人公に対して「元気出して」と量産型のワードを打ち出してキスするだけ。食費がかからない分オウムの方がマシである。彼女は凶々しい消臭剤である。

 

 とはいえ全体的に見れば、本作は気楽にワクワク楽しめるマトモな映画である。パッケージを見たとき、「この薄汚い中年男性を擁護する余地はあるのだろうか」と考えたが杞憂に終わった。主人公と共に戦ううちに成長する芸達者なメキシカンオフィサーや、年甲斐もなくウホウホとパーティーで踊りまくりポーカーでイカサマするジジイなどちょい役もいい味が出ている。作中で登場人物たちが飲んでいるのを見てコーラが飲みたくなった。もちろんビールはNG。当ブログは禁酒法の再施行を目指しています。

 

 

総合評価・星4つ(ステキやん?)

★★★★☆

 

以上