ワンコイン・ムービ-レビュー

ワゴンセール等で500円程度で投げ売りされている映画を愛するブログ

バイオ感染

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あらすじ

「恐ろしいウイルスがパンデミックを起こしたから、人類は強力なワクチンで対抗した。しかしそのワクチンは有害で、事態はますますガッデムに。地上は感染者が席巻し、生き残った人類は地下のバンカーで細々と生き延びていた…」

 

 物語が幕を開けて早々に戦闘シーンが投入される。主人公の軍曹が率いる人間の部隊と感染者が戦うのだ。眼球に侵入してきたのは紫のジャージにサバゲー用のゴーグルを装着したオッサン達。なんだこいつら。こんな街宣右翼以下の恰好した連中を軍人呼ばわりする気か。嫌な予感が頭をよぎると同時に、感染者たちが登場する。彼らはボロボロのニッカポッカを身にまとい、ダース・モールみたいな化粧をしている。どんな戦いになるのだろうか?セオリー通り人間は銃を撃って感染者は噛みつくのかな、と考えていると回答が提示される。まさかの殴り合いである。しかも人間の方が強い。舞台設定と戦闘状況が矛盾している。即座に期待値を下げたことは言うまでもない。

 

 学者が「クリスタルのパワーで人類は救われる。でもそのクリスタルは感染者に奪われたから取り返しにいかねば」と理論を展開する。クリスタルパワー、ああ、これ通信販売でみたことあるやつや。万札でいっぱいのバスタブに入ったデブ、彼が私の脳内を駆け抜けていった。ウイルスとクリスタルってどんな組み合わせやねん。実際、結晶石の力で病気を治すとか言ってる新興宗教のアンポンタンのことを考えると良い思いはしない。私の考えすぎなのかもしれないが。

 

 そして軍曹の部隊がクリスタル奪還のために出撃する。描かれる彼らの道中。それはウォーキングとおしゃべりから構成される。人類の命運をかけて敵地を行軍する、その緊張感を本作から感じ取ることは不可能である。「お前童貞だろ」「どどど童貞ちゃうわ」「荷物が重いわウフフ」といった必要性のない会話のあげくにはキャンプでダンスである。行軍をなめとんのか。ベトナム戦争に派遣されたオーストラリアSASが彼らを見たらM60を乱射するだろう。

 

 部隊の大半は殉職する。しかしそれは感染者との戦いでではない。野犬に殺されたのである。人類vs.感染者とはなんだったのか。野良犬とのバトルってはだしのゲンか。感染者の出番もゼロというわけではなく少しは出てくる。もちろん迫力はゼロである。感染者は素手で殴りかかったり丸太で殴りかかったりしてくる。万歳突撃とかいう悲惨を連想したのは私だけではあるまい。

 

 最終的には学者が敵に寝返って軍曹に発砲、弾丸は体幹を貫通するも軍曹はノーダメージ。からの殴り合いで軍曹が勝利、クリスタルを持ち帰ってハッピーエンドである。

 

 視聴時間のほとんどはウォーキング、感染者より野良犬の方が怖い、軍曹がショットガンをコッキングする動作がキモイなど、本作は魅力がよりどりみどりである。良いところは無いかと思い返してみるものの、無いとしか言いようがない。本作は非常に残念な子である。

 

 

総合評価・星1つ(神が憐れむレベル)

★☆☆☆☆

 

以上