ワンコイン・ムービ-レビュー

ワゴンセール等で500円程度で投げ売りされている映画を愛するブログ

ジュラシック・レイク

f:id:public-technocut:20180806230001j:plain

あらすじ

「人間VS.ネッシー

 

 湖を擁する田舎町で突如起こった連続変死事件。遺体は何かに噛み千切られており、傷跡からは未知のDNAが検出される。正体不明の敵にお手上げ状態になる保安官、とそこに現れたのは生物学者を名乗る男。彼曰く、敵は太古の首長竜プレシオサウルス。保安官は半信半疑ながらも彼に協力しプレシオサウルスに立ち向かう。釣具店を経営する主人公もその戦いに身を投じ…というのが本作の筋書きである。

 

 本作は御覧の通りド直球のモンスターアクションであり安心して見られる。登場人物も同様に安心できる。この手の映画に出てくる(いらないのに)、キャーキャー叫ぶだけの騒音要員や仲間の和を乱すだけ乱した後は勝手に死ぬ奴など、一言でいえばバカが存在しない。ならばパラダイスでしょう奥さん。

 

 登場人物については王道を守った安全運転的なキャラクターが多くみられた。生物学者は幼き頃に父をプレシオサウルスに殺されたという因縁を設定されている。加えて羽織ったロングコートがミステリアスであり良い。変わり者の地元住民は「エネルギー資源問題を解決するためにCIAとNASAが恐竜の陰謀を企てているんだ」と主張し、愉快な甘味料を添えてくれる。プレシオサウルスの幼体を相手にPSG-1狙撃銃で奮戦する老保安官もいぶし銀である。

 

 本作における人的文化財はあるパーリーピーポーの兄ちゃんである。彼はココリコ遠藤が企業舎弟に入社したようなイラつく顔をしている。彼は他人の職業や家族をさんざんバカにしたあげく、キャンプで女子のテントに侵入、昏睡強姦までやらかそうとするMr.アナルファックである。早く死なねえかなコイツ、とワクワクしながら視聴したのはいうまでもない。そして信じる者は救われる。彼は映画界の神の見えざる手によってプレシオサウルスの幼体の群れの中に放り込まれ、無事八つ裂きにされた。

 

 残念な点としてはまず武器の設定が挙げられる。生物学者は対プレシオサウルス用として音波銃だの電磁銃だのわけのわからんカラクリを持ち出す。お世辞にも質がいいとは言えないCGによって描かれる銃撃の波動、そのシーンだけスターウォーズになってしまっている。本作の舞台設定がアメリカの田舎町ということを考慮するとこれは失策であったと言わざるを得ない。

 

 一番残念な点は、プレシオサウルスに足が生えており、ナチュラルに陸上で大暴れする点である。こいつはいただけない。陸で暴れるならプレシオサウルスである必要性がない。こんなん凶暴なブラキオサウルスやんけと悔し涙を流したのは私だけではないだろう。やはりメインの戦闘は湖上で行ってほしかった。作中ではモーターボートでプレシオサウルスを追跡するチェイスシーンはきちんと描かれている。ならばバトルシーンも描けるはずではないかと欲が出てしまう。

 

 最後に、これは配給側の責任であるため本作の評価に影響しないところであるが、パッケージ詐欺については苦言を呈せねばなるまい。本作ではティラノサウルスなど1秒も出てこないし、ましてやハインド戦闘ヘリなぞ全く関係がない。配給会社が適当なパッケージを作った場合に刑事罰に問えるような法の制定が今求められているのではないでしょうか。

 

 

総合評価・星3つ(500円の価値有)

★★★☆☆

 

以上