ワンコイン・ムービ-レビュー

ワゴンセール等で500円程度で投げ売りされている映画を愛するブログ

ラプター・アイランド

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あらすじ

「人間vs.恐竜」

 

 退院したら『ジュラシック・ワールド 炎の王国』を観に行こう…、その思いを胸にこの一ヶ月を耐えてきた私にとって本作の視聴は前哨戦といって差し支えないであろう。そして本作は私の期待通り、500円という大金にふさわしいレベルの出来栄えを見せてくれた。

 

 テロリストが国連スタッフを拉致監禁しているからシバいてこい、この簡潔な命令によって米軍部隊が出動する。小競り合いの末に米軍とテロリストは無人島に上陸する。米軍が乗ってきたボートは破壊されてしまうものの、テロリストはボスを除いて壊滅する。前座は終わった。ヴェロキラプトルの登場である。ラプトルは米軍・テロリスト関係無しに襲いかかり、オッサンたちをクチャクチャする。恐竜の動きはもっさりしているものの、走ったりジャンプしたりするシーンもあり、この手の映画にしては比較的頑張っている方だと感じた。

 

 ラプトルの襲撃から逃れた米兵は無線で救助を呼ぼうとするが通じない。高地に行けば通じるかもしれないと一行は歩みだすが、その途中でこの島の謎を解明する。彼らが見つけたのは中国の飛行機、中にはアメリカのプルトニウムの容器。このネクストコナンズヒントに基づき米兵は推理力を炸裂させる。「放射能で恐竜が発生したんや!無線が通じないのも放射能せいや!」この仮説が正しければレントゲン検査を受けてきた私は知らぬうちにテクノザウルスに進化して人類社会に立脚しているのだろうか。

 

 彼らは洞窟で休息をとろうとするも、なんとそこはラプトルの営巣地。脱出の過程で戦死者を出し生き残りは2人となってしまう。そのうちの1人は宣言する。「海岸に行けばヘリがくるんや!」無線うんぬんの流れはなんだったのか。連絡がつかない味方がどうやってヘリを飛ばせるんだ。

 

 そんなん知らんわとばかりに進む生き残り。彼らは魚が死んで浮かんでいる毒の沼に飛び込んで泥を浴び、ラプトルから逃れる。「恐竜は視力が弱い。匂いで獲物を判別する。毒の匂いで俺たちを判別できなかったんだ」とは彼らの弁であるがラプトルにやられるまえに毒で死ぬだろと考えてしまう私は無粋なのだろうか。

 

 そして彼らは言う。「ラプトルの巣を爆破しよう!」一体何がしたいのか。完全迷走もいいところである。彼らは海岸と反対方向の洞窟へと戻りクレイモアを設置する。そうクレイモア。対人散弾を撃ちだすこの兵器でどうやって洞窟を爆破するのか。そんな懸念を払拭するかのようにクレイモア榴弾のように爆発、その衝撃で火山が噴火してマグマが流れ出る。

 

 そして彼らは海岸へ向かう。やがて連絡を取っていないはずのヘリコプターが偶然都合よく飛んできて彼らを救出する。なおテロリストのボスはカルノタウルスっぽい大型肉食恐竜のおやつと化した。

 

 上述した通り本作の行動指針は無軌道もいいところであり、筋はクソである。登場人物の個性も特に無くパッとしない。恐竜との戦闘シーンが多めだったのがせめてもの救いと言えようか。本作は良くも悪くも値段相応、500円ならこんなもんだろと視聴後に首をコキコキさせるレベルの映画である。

 

 

総合評価・星3つ(500円の価値有)

★★★☆☆

 

以上