ワンコイン・ムービ-レビュー

ワゴンセール等で500円程度で投げ売りされている映画を愛するブログ

カウボーイ&ゾンビ

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あらすじ

「ヤればできる!」

 

 ロックミュージックを背景に繰り広げられる主人公と賞金首達の銃撃戦。掴みとしては十分。パーカッション式拳銃に薬莢式の銃弾をロードしているのはご愛敬といったところか。

 

 保安官事務所では、しまむらで投げ売りされてそうなバッグやWordで作った感バリバリの手配書が世界観の確立に大いに貢献してくれる。主人公であるオッサンはひたすらカネを求めて賞金首を狩る。次のターゲットはインディアンのレイプ犯である。

 

 相手は最低、レイプ犯ということで、彼は人権意識の高い作戦を立案実行する。それは売春婦を紐でぐるぐる巻きにして野原に放置して囮とし、インディアンが寄ってくるのを待つという知能指数の低い作戦である。売春婦が奏でる届かない#Me too の叫び声を無視して、インディアンは居眠りしていた主人公の銃から弾を抜いて売春婦を救出する。どっちが主人公なんですかね合衆国。

 

 そして始まる主人公とインディアンとのバトル。オッサン2人が坂を滑り転びながら醜く回転し、パンチを相手の顔面にシュゥゥゥー!というエキサイティングなバトルドームが展開され、インディアンはとっ捕まる。

 

 時を同じくして村の住人が、森からなんかわけのわからん物体を拾ってきた。なんか危なそうやけどとりあえず割ってみようや!というフロンティアスピリッツの下でそれを割ると、ねるねるねるねみたいな緑の液体が出てきて住人は仲良くゾンビ化する。

 

 主人公はインディアンと呉越同舟、適当にゾンビをどついて宿屋に籠城する。そして始まる回想物語。主人公は物憂げな表情で語る。なんかうだうだと色々しゃべってた気がするが要するに「婚前交渉で女を孕ませちまったから金が要るんだよ!」という一言で説明できる。阿呆。これが彼に贈る言葉である。主人公は「妻は売春婦に似ているんだ…」とはにかむが、貴様はさっきその女性を囮にしてたよな。こんな奴との結婚生活がどのようになるかはIl va sans direである。ちなみにもちろんインディアンのレイプ疑惑は濡れ衣である。

 

 夜も更けたころ、主人公はインディアンと外に出てドアや窓を板と釘で完璧に打ち付けて防御する。「これで中にいる売春婦は安全だ。夜のうちに闇を利用してゾンビ達をできるだけ減らそう。頭脳はこっちの方が上なんだからな」。なおこのバトルシーンは描かれない。彼らが闇をどう利用したのかはわからないが、頭脳がどう利用されたかはわかる。それはマイナスの方向性へ。あるゾンビが地下から宿屋に侵入して売春婦を襲う。売春婦はドアに向かうがドアは主人公が釘でガチガチに!サンキュー主人公。ガチガチにしたのは下半身だけでは物足りなかったのか。それでもなんとか助かった売春婦は主人公に罵声を浴びせハッピーエンドかと思われた。

 

 しかし普通にゾンビは全然減っておらず、インディアンも主人公も殺されてしまう。そこにパッと出のイケメンが出てきて売春婦を救出する。しかしゾンビは追いすがる。イケメンと売春婦は「やったるわいコラァ」と突撃してフィナーレである。

 

 本作の視聴にあたっての悲劇。それはセリフが入っていなかったことである。音響担当が上級だったのか、マイクの性能がハイレベルだったのか、真面目にこのDVD単体の不具合なのかはわからない。よって評価に影響を与えることは差し控えたいが、字幕とかすれたBGMだけで本作を視聴した私の気持ちに共感してくれると嬉しいな。一人一人が少しでも他人を思いやれば優しい世界ができるんだよ(適当な締め)

 

 

総合評価・星2つ(500円の価値無)

★★☆☆☆

 

以上