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半グレの女 WOMAN OF HANGURE

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あらすじ

「パッケージの鼻がモアイみたいで怖い」

 

 主人公の女は高校卒業後プラプラ暇してたからという誇り高き理由でパチンコ・麻雀・競馬の世界を開拓し、320万円の借金を建設する偉業を達成した救えない低脳である。勤めていたキャバクラをクビになった彼女は高校の同級生の男と再会する。彼のツテで知り合った、ブロッコリーみたいな髪型した半グレのオッサンは主人公に微笑む。「借金は俺がまとめてやるよ。君には割のいい仕事を紹介してあげるね」。主人公は知能指数の低そうな微笑みでこの信頼溢れる提案に応え、転職する。

 

 彼女が従事する産業は詐欺、役割は受け子である。ブロッコリーの部下であるヤリマンが男と関係を持った後、その男に「ヤリマンが妊娠したから示談金をよこせ」と迫るやりがい沢山のお仕事である。淡々と電話をかける退屈な映像が脳に侵攻してくる。主人公を演じる女は棒読みで叫ぶことが演技であると信仰しているようであり、彼女がその迫真の力をもって「どんどん電話して金を引き出さないとヤリマンがかわいそうだよ!」と路上で叫ぶシーン。これを見た瞬間、共和国の前提となる道徳感情を持った市民など所詮は幻想上の存在でしかないと絶望感がこみ上げてくるのを抑えることはできなかった。

 

 ブロッコリーはヤクザと喧嘩する。「金の匂いに釣られてきたハイエナ野郎め」「本職ナメんな半グレ野郎」といったウンコ味のカレーかカレー味のウンコか的なセリフが確実に視聴者の知能指数を削り取っていく。主人公はキャバ時代の人脈を使って裏カジノを繁盛させてウハウハしてたら妊娠詐欺の被害者に報復を受けレイプされたあげく同級生の男にも裏切られてヤクザにしばかれる。

 

 彼女は叫ぶ。「最低だっていいじゃない!みんな生きたいんだよ!」何言ってんだこいつ。まさかこのワードで同情しろというのか。最低でいいわけないだろ、生きたいならギャンブルやめてハロワに行けと、こう考えた私の思考は低俗で無理解なものなのだろうか。するとそこにブロッコリーが突撃してきて「俺の仲間に手を出すな!ドン」とワンピース的ジャイアニズムを披露する。俺の仲間って、お前そんなこと言えるレベルの経営者か。なおブロッコリーと一緒にマル暴のデカも一緒にやってきてヤクザを連行する。もちろんブロッコリーや主人公はお咎め無しである。

 

 なんやこのクソみたいな茶番は、と思っていると脳みそののの字も感じることができないうわごとのようなポエムが流れてエンドロールである。主人公は歌う。「カタギでもなく、ヤクザでもない、半分グレーゾーン」いや、あんたのやってることはコールタール並みのドロドロブラックですがな。主人公は歌い続ける。「それが私の、戦う場所だ」戦場だというのなら是非即座に戦死していただきたい。

 

 貧困からやむをえず闇の道に堕ちたわけでもない、ダークヒーロー的魅力ゼロの、救いがたい偏差値の持ち主たちが奏でる愚かなハーモニー、それが本作の正体である。4月に入ってから作品と呼べるものを見てねえぞと逆ギレしていた矢先に本作である。きっとろくでもない批評ばっかりしている天罰だろう。映画批評、それこそカタギでもなければヤクザでもない半グレなのかもしれない(自省)

 

 

総合評価・星1つ(神が憐れむレベル)

★☆☆☆☆

 

以上