ワンコイン・ムービ-レビュー

ワゴンセール等で500円程度で投げ売りされている映画を愛するブログ

デッドマン

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あらすじ

「銃撃戦でごまかすスタイル(ごまかせていない)」

 

 本作の主人公は、一時期フェイスブックで流行したようなレイバンと、ヒッピーみたいなロン毛を搭載した兄ちゃんである。彼は廃墟のビルで老師っぽいジジイに捕まる。ジジイは「力が欲しいか?なら自殺しろ!」と語りかけ、それに従い主人公は自殺する。

 

 すると主人公は蘇って力を得ていた。その能力とは「他人の気持ちを忖度できるかわりに五感を失う」というコストパフォーマンスに優れたものである。なお本作において主人公は能力を大して発動していないにもかかわらず五感だけは失っていく。等価交換はどこにいったんだ鋼の。

 

 主人公以外にも能力者は存在しており、彼らは「オーパパティカ」というコードネームで呼ばれる。本作のほとんどは、このオーパパティカのうわ言のようなつぶやきによって占められている。そう、能力者VS能力者なんぞウソ800やったんや。

 

 「この世界に縛られている」「辺獄の魂の様に」「復讐は無意味だ」「お前にもいずれわかる日がくるだろう」「殺されれば死ぬ」。これら意味の分からないワードが脈絡なく叩き込まれる視聴時間がどのような体感となるか察して頂ければ幸いである。

 

 要するに何が言いたいのか簡潔にまとめてみると「能力はヤバいよヤバいよ」、この一言で説明できる。とどのつまりオーパパティカなる集団は量産型出川哲郎なのである。わけのわからん詩をつぶやく暇があるなら彼らは充電すべきである。原付ではなく脳に。

 

 本作は世界観が意味不明であり登場人物の個性もゼロである。それに反比例するかのように戦闘シーンだけは無駄に力が入っていた。評価ポイントとして加点できないかと最大限好意的に鑑賞したが、このシーンも結局は外野が銃持って騒いでいるだけでストーリー、登場人物の補強に一切貢献しておらず擁護のしようがない。

 

 ラストは老師が老衰で死に、クレジットで「真の不死身とは公正さから生まれる」と、とってつけたような文章が流されて終わりである。もちろん本作において公正がテーマとなった時間は1秒も無い。

 

 年明け早々なかなかのゴミを引いてしまったなというのが直球の感想であるが、クリスマスに当たりを引いた反動と考えればこれも一興。人生楽ありゃ苦もあるさ。2018年、私は恐らく引き続き無神論者であり続けるだろうが、映画の神様、都合のいい時だけお助けください。

 

 

総合評価・星1つ(神が憐れむレベル)

★☆☆☆☆

 

以上