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マンモスvsサーベルタイガー 氷河期大戦争

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あらすじ

「本作は事実に基づいている(少なくとも化石はある)」

 

 パッケージ表からバトルものを連想した私の愚かな期待は一瞬で消し飛んだ。本作はマンモスの成長記である。そもそもパッケージ裏にはしっかりと「マンモス・ファミリーの冒険をえがいた大氷河期ドラマ」と書かれている。きちんとチェックしなかった己の低脳ぶりを恥じるのみである。

 

 内容は結構ヘビーである。初っ端から母親マンモスが湖に落ちて身動きがとれなくなっている、その目の前で子マンモスがサーベルタイガーに喰われたりする。サーベルタイガーは出産直後のマンモスの隙を突いて生まれたての赤ちゃんマンモスを襲う。後は底なし沼に子マンモスがはまって死んだりする。

 

 教養映画なので当然いろいろな情報が視聴者に提供される。「マンモスはエサ場を求めてシベリアから韓国のあたりまで南下する」「マンモスの体重は6tで一日の食事量は3~400kg」「群れのリーダーは女性」聞いているだけでなんとなく賢くなった気がするこの感覚は、本屋を散歩している時に得られるそれに似ている気がした。

 

 特に記憶に残ったのは「マンモスの雄は牙が折れている方が強い」というものである。なぜなら牙が折れているというのは、交尾相手を巡って他の雄と戦いを繰り広げた証であるから。牙が折れたというのは比喩表現でヘタレを意味する事が多いが、マンモスについては生存競争を潜り抜けてきた実戦経験のある精鋭を意味するのである。だから何だと言われたら何も言えないが雑学なんてそんなものでしょう。

 

 後半はサーベルタイガーの代わりにホラアナライオンが出て来る。なぜホラアナライオンという名前がついたのか。それは化石がほら穴でよく見つかったからである。結構学者も適当なのね。なおホラアナライオンについては特に掘り下げた解説は無い。ちなみにサーベルタイガーについても同様である。それならばタイトルは率直にマンモスアドベンチャーとかにしとけばもっとわかりやすかったのに、と逆恨みしてみる。

 

 なんやかんやでマンモス達は自然の厳しさと戦いながらご飯を食べて頑張って生きてゆく、かと思いきやラスト10分は怒涛の展開であった。それはヒトの登場である。彼らは従来の、少なくとも私がガキの頃に学習マンガでみたような石槍投げたりするようなアホ丸出しの戦い方はしない。夜を狙って火を使い、その威嚇力を持ってマンモスを崖から叩き落すのである。

 

 そうしてマンモスは環境変化についていけず絶滅、しかし人間もそうならないとは限らない…とビビらせてエンドロールである。本作は知的好奇心を満たせるビジュアル教材として気楽に見られる良作である。

 

 

総合評価・星3つ(500円の価値有)

★★★☆☆

 

以上