ワンコイン・ムービ-レビュー

ワゴンセール等で500円程度で投げ売りされている映画を愛するブログ

STAG スタッグ

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あらすじ

「キィャァァァァァアァツ←うるせぇ」

 

 主人公である金髪のイケメン親父は経験豊富な登山家であり、今は山岳ガイドとして生計を立てていた。彼には妻と娘に息子がおり、家族全員でガイド業を行っていた。妻と息子はガイド業に不満を持っていなかったが、娘は思春期もあってフラストレーションをつのらせる。家族のことを思い、主人公は「仕事も一息ついたしギリシャ旅行にでも行こう」と提案。娘は喜び家駆けまわり、妻と息子は笑みで顔を丸くする。

 

 しかし喜びは長く続かなかった。旅行前にいきなり変なオッサンが現れて「炭鉱の中をガイドしてもらいたい」と主人公に依頼する。主人公は一度は断るものの、報酬額につられて結局OKを出す。

 

 当然娘はブチ切れ。ふざけないでと怒りをぶつけるが、主人公は「炭鉱もええもんやで。ギリシャと変わらんで」と論理的妥結点を模索する。私の主観から言わせてもらえば、赤の他人といく炭鉱ガイドと家族水入らずのギリシャ旅行の価値はイーブンとは言えない。そもそも主人公は山のプロであって炭鉱のプロではないだろとの疑惑も持ち上がってくる。依頼する方もする方だが受ける方も受ける方である。

 

 なんのかんので主人公はオッサン達を引き連れて炭鉱へ潜り、家族は地上でお留守番。地下の探検シーンは、はっきりいってギャグである。電気が明々と灯った清潔な坑道をてくてくと歩き、通れないところがあると「削岩用レーザーライフル」でピキュンピキュンと掘削して行くのである。これらリアリティ溢れる光景を見るごとに私の士気は見る見るうちに削がれていく。

 

 しかしここで本命登場。それはパッケージに出ているような巨大モンスターでは決してない。クワガタの大群である。一番デカい奴で人間大である。まあ実際こんなのいたら気持ち悪いだろうし十分不気味なのだが、やっぱりパッケージ詐欺だよなと言わざるを得ない。

 

 その後はオッサン達がクワガタに食われたり、息子が炭鉱に入り込んで調子こいたり、オッサン達がクワガタに食われたりするお茶目でスリリングなどうでもいいクソ映像が垂れ流される。クワガタは地上にも溢れ出し、妻と娘を襲う。この際の娘の叫び声。ひたすら「キィヤァァァ」と連呼するだけ。声のトーンが高くうざったい。そのくせ声のデカさに比例した演技力は皆無。端的に言えば騒音である。

 

 本作唯一の評価点は妻の戦闘シーンである。異常状況の中で娘をなだめつつ、ロッジで銃と弾薬を確保。主人公の通信機と連絡を試みながら、行方不明となった息子を探すためクワガタに立ち向かう。ポンプアクション式ショットガンでクワガタをワンショットワンキルする姿は悲惨な98分(上映時間)のオアシスであった。

 

 ラストは主人公が地下のクワガタの巣に爆弾を仕掛けてドカン、オッサン達が密かに狙っていたエメラルドもゲットして終わりである。ここまで書いてて思ったが主人公は全く主人公じゃない。妻がいなけりゃ本作は星1つである。

 

 

総合評価・星2つ(500円の価値無)

★★☆☆☆

 

以上