ワンコイン・ムービ-レビュー

ワゴンセール等で500円程度で投げ売りされている映画を愛するブログ

最強兵器女子高生RIKA ゾンビハンターVS最凶ゾンビグロリアン

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あらすじ

「こんなタイトル見たら買うしかないやろ」

 

 主人公ともう1人の女子高生が「親とか学校とかウゼェからじいちゃんの所に遊びに行こう」とスクールエスケープを開始。何でもじいちゃんは天才外科医だったが、今は山奥でヒキコモリストを営んでいるとのこと。最寄り駅についた2人は光の速さでゾンビに遭遇する。そしてキャーキャー泣きわめきながら偶然近くにいたチンピラの車でじいちゃんの家まで逃げることに成功する。

 

 じいちゃんの家につくと日本で一般的に普及しているメイドなる使用人が3人出迎えてくれる。そして奥からは妻を名乗る女が登場。当然の如くこの妻は財産目当てでじいちゃんを騙しておりチンピラはこいつとグルである。「節子、それ妻やない!後家業や!」と言いたくなるが、じいちゃんはボケ老人になってしまっていたのだ。そこに付け込まれたという事である。

 

 なお、じいちゃんの家に来たはいいが、じいちゃんの家は要塞でも何でもないただの家である。当然の如くゾンビたちもおじいちゃん孝行にやってくる。なお最初に犠牲になったメイド3人は掃除をさぼって乳の大きさを比べあっていたら噛まれて死んだ。無駄しかないシーン。制作陣は人件費を何だと思っているのか。大体乳の大きさを比べることに何の意味があるのか。せめて形や乳輪面積、弾力を総合的に勘案してコンペティションを行った上で死ぬのなら意味はあっただろうが、乳は大きければいいなどというのはタブロイド紙のペニス増大サプリを通販で買うレベルの知的貧困者である。

 

 襲撃に対しては、じいちゃんが無意識化で抜刀しゾンビを殲滅するも主人公の片腕が噛まれてしまう。じいちゃんは感染を防ぐため主人公の片腕を切り落とす。ブラピが出てくるゾンビ映画で似たようなシーンがあったような気がするが気のせいだろう。

 

 その後白衣を着た研究員のゾンビが「僕にはぁ、理性が、ありまぁす」と記者会見して今回の騒動の原因を語りだす。「高齢化問題を解決するためにジジババを抹殺するウイルスを研究してたんですけどミスってゾンビウイルスができてこうなったんスよナハハ」「大丈夫!ゾンビのボスのグロリアンってのを倒せばゾンビ化した人も食われた人も復活するんで問題無しッス!」。ジジババ抹殺という時点で大概だが、そんなもんのために税金使うぐらいなら正月に高齢者に餅を配る方がより安価だろう。これだから日本経済は発展しないのである。

 

 だが、じいちゃんの家に逃げ込んできたオタクは反論する。「米軍のゾンビキラーがすでに倒されてしまった。もうすぐこの街にはミサイルが撃ちこまれる。ソースはネット」。彼は無視され皆はグロリアンを倒しに行く。その前に行われた武器集めの際、倒されたゾンビキラーの片腕が見つかったので、じいちゃんは主人公にそれを接合する。右腕だけヘビー級の筋肉、あげく世紀末覇者みたいな肩パッドまでついているそのアンバランスさは読モとして人気核爆レベルであろう。どうでもいいことだがゾンビハンターの握っていた武器が旧軍の98式軍刀であったのが気になった。大正義米帝がイエローモンキーの蛮刀を使う理由とは何なのだろうか。

 

 その後の展開はいたって単純。後家業とチンピラは途中で逃げ出して死ぬ、理性ゾンビは実はグロリアンの部下で死ぬ。友達の女子高生はハエ叩きで武装していたので当然死ぬ。オタクは「僕だって盾にぐらいなれますよ」と調子こいて突っ込むも38口径拳銃の反動ごときに振り回されて死ぬ。

 

 そしてグロリアンとの決戦。白髪の鬼婆の様な姿をしたそれは二刀を用いて主人公を劣勢に追い込む。ところがここでじいちゃんが覚醒する。彼は孫を助けるため抜刀し猛然とグロリアンに切りかかる。その隙に主人公は体勢を立て直すも、敢闘空しくじいちゃんは命を散らしてしまう。怒りに震える主人公は激しく敵へと切りかかり脳天を叩き切る。

 

 そして平和がもどった。死んだ仲間は皆復活、喜んで輪になって踊っているとアメ公の兵士がエロ本を読みチンポを掻きながら発射したミサイルが飛んできて街は壊滅。じいちゃん以外は皆死ぬ。なおじいちゃんは生き残りはしたもののグロリアン2として復讐の咆哮を響かせる。

 

 本作はアクションシーンが比較的良くできた映画であると感じた。単にキーンキーンと竹光の打ち合いと効果音でごまかすようなものではなく、鍔迫り合いから当身・前蹴りから間合いを取りさらに撃剣のパワー勝負は見ていて面白い。またコメディ要素もちらほらと散りばめられており、特に最終決戦の際に、主人公「お前は絶対に殺す!」グロリアン「・・・もう俺死んでるんですけど」の流れは笑った。本作はタイトルに反し予想以上にまともな作品である。

 

 

総合評価・星3つ(500円の価値有)

★★★☆☆

 

以上