ピラニア リターンズ
あらすじ
「予定調和のゲス加減」
主人公は大学院を中退したという説明しかないただの女で大した活躍もしないので無視してよい。主人公の義父はウォーターランドを改築して一儲けしようとする起業家である。彼は経営者として消費者目線を忘れないバリューエンジニアの鑑である。
彼はまず体力のあるプールの男性監視員の首をテルール下の如く切り落とし、代わりにピチピチギャルのストリッパーを起用する。こうして男女雇用機会均等法に基づく安全体制を確立した彼は、「パイオツの大きい女は入場無料」と看板を掲げ、男女平等の理念を高らかに謳う。
さらにスペシャルゾーンとして通常プールの奥に全裸の女を放流したSEXプールを設け、青姦を楽しめる公序良俗秩序を構築する。なおプールにはカメラも設置されており視姦フェチにも配慮がなされている。
従業員の脂ぎった天パのデブ親父は排水溝におペニペニを挿入し「精子が吸い込まれるぜベイベー」とか言いながら働く勤勉な男である。精子だけではなく魂も吸い込まれてさっさと死ねと思うのは私だけではないだろう。
その後しばらくは意味のない中だるみのシーンが挿入される。女が乳を出してウォータースライダーをすべったり、変なマッチョが調子こいたりする。そこにピラニア出現の報が飛び込んでくるが、そんなものが聞き入れられるはずがないのはこの手の映画の様式美である。もちろんゴミクソプールはあっという間にピラニアのエサ場になる。
プールでの襲撃シーンは全くグロくない。女達がキャーキャーいいながら沈んで血のりが飛び散るだけ。後は食いちぎられた肢体がプカプカとお風呂のアヒルさんみたいに浮かんでいるだけである。ピラニアそのものの造形は装甲魚のように凶悪であり非常に出来が良い分、なぜこんなシーンしか撮れなかったのか不思議でならない。ピラニアの造形担当はさぞ悔しかったのではなかろうか。
名前の有る登場人物の死に様もアホすぎる。ある女はジャイナ内にピラニアの侵入を受ける。彼女とSEXした男はピラニアにピネスを噛み千切られる。このシーンの何が嫌かというと千切られたピネスの造形がくっそリアルなのである。亀頭と皮、こんな小道具に予算を割き、あまつさえそれを映すシーンの必要性はあったのだろうか。
なお元凶である主人公の義父は金を持ってジープで脱出しようとするも首にロープが引っかかって首チョンパの刑にあう。もし彼がジープではなく、ワイヤーカッター装備の軽装甲機動車に乗っていれば…。イラクで1人の死者も出さなかった自衛隊と比べ、彼の最後は惜しまれぬ、残念でもないものであった。
ラストは排水溝オナニーデブがプールの水を抜いて解決かと思いきや、ピラニアに脚が生えてガキの頭を吹き飛ばして終わりというわけのわからんラストである。
本作は、バカが「この映画はバカです」と開き直って作ったものとしか考えられない。よって、本作は「ストレス解消のため時間を無駄にしてバカになる療法」を実施する際に使用するのが効果的であると考える。
総合評価・星3つ(500円の価値有)
★★★☆☆
以上