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NINJA ニンジャ in L.A.

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あらすじ

「忍者じゃねーよ」

 

 とある中世の時代、どっかの騎士のオッサンと悪魔のオッサンが、イスラエルにて半裸で殴り合い、騎士のオッサンが勝つ。それから数百年後のロサンゼルスでは、上野クリニックのCMみたいな服を着た白人が忍者刀でマフィアをぶっ殺していた。なんとそのマフィアは「鬼」とよばれるデーモンだったのだ。

 

 実は、イスラエルで騎士のオッサンに負けた悪魔オッサンは鬼で、数百年の時を経てロサンゼルスに魔界の門を開けて世界を支配しようとしていたのである。ところでなぜ悪魔のオッサンはイスラエルでくたばらなかったのか?それは「鬼は殺されても肉体が滅びるだけで魂を別の奴に移して生きていけるんやで」という理屈によるものである。最悪の場合は鬼を倒した者に鬼が転移することすらあるのだ。

 

 ではなぜ上野クリニックは魂を奪われないのか?彼の証言によると「俺の一族は代々僧兵として戦闘訓練を受けていたから大丈夫なんだ」とのことである。ここでタイトルにデカデカと書かれたニンジャの文字が詐称であることが明らかとなるが、こんなことで怒ってはいけない。西洋人にとって、ジャップアイランドの戦闘員は皆ニンジャなのだ。

 

 この上野クリニックは鬼を退治すべく、イスラエルのオッサンと、二丁拳銃の兄ちゃんを仲間にする。彼等も同じく魂を奪われない。その理由は、イスラエル「ソロモンの刺青をしているから」、二丁拳銃「過去の怪我で魂を失ったから」である。イスラエルのオッサンはともかく兄ちゃんはヤバいだろう。魂の有無を現代医学で測定できるなど聞いたことが無い。しかしお医者様が無いと言ったら無いのだろう。これもオバマケアのおかげであろう。サンキューバラク、ファッキュードナルド。

 

 とにかくこの3人で鬼退治をするのである。しかし正攻法で挑んだのでは民間人に犠牲が出てしまう。そこで上野クリニックの老師が策を授けてくれる。「二丁拳銃の兄ちゃんには魂が無いんやから、倒した悪魔の魂を入れ放題やん!そういうことで兄ちゃんの体を魂ボックスへ改造すんで!」である。目的達成のためにはやむをえない面もあるだろうが兄ちゃんからすればこの老師こそが鬼であろう。昔ドラえもんのマンガで、四次元ポケットをゴミ箱代わりに使われてのび太が悲惨な目に会う話を見た記憶がある。日本人もアメリカ人もゴミは適当に捨てちまえというのが本性なのだろうか。ふと感傷に浸ってしまう場面であった。

 

 兄ちゃんを魂ボックスに改造した後はレッツバトルである。ここからは、小規模ではあるものの、テンポよく流れる小気味よい戦闘シーンが連続する。ラストでは、ジャイアンに顔面を殴られたスネイプ先生みたいな顔をしたボスキャラが現れて、「門が開くぜー!」とか調子こいてたらスネイプは魔界に落っこちてフェイドアウト、二丁拳銃の兄ちゃんも巻き添えで魔界に落っこちるも、なんか変な灰色のオッサンに魂をプレゼントされて無事帰還する。

 

 そして平和が戻ったロサンゼルス。しかし鬼は完全に潰えたわけではない。3人は「残党を見つけたらぶっ殺していこうや!」と〆のラーメン的なノリで叫んでエンドロールである。

 

 アホではあるが、ストレートで攻めて来るストーリー。アホではあるが、憎めない登場人物達。本作は生活に疲れた時、「アホになりてえ」と現実逃避を望む際のお供としてお勧めできる一品である。

 

 

総合評価・星4つ(ステキやん?)

★★★★☆

 

以上