ワンコイン・ムービ-レビュー

ワゴンセール等で500円程度で投げ売りされている映画を愛するブログ

シャーク・イン・ベニス

f:id:public-technocut:20170408221043j:plain

あらすじ

「パッツィが天下とってりゃよかった」

 

 主人公は腹の出たデブの海洋学者。ある日、ベニス警察から電話がかかってきて「あんたの親父がスクリューに巻き込まれて死んだかもしれんから確認プリーズ」と言われたので彼は婚約者と共にイタリアへ飛ぶ。死体を検分した主人公は「こんなんどうみてもスクリューの傷跡ちゃうやん。食い殺された傷やで。多分サメに。」と警告する。

 

 しかしイタリアンポリスは「ベニスにサメはいない。なぜならベニスは水路が道路だからだ(真顔)」といって相手にしない。この論理になっていない論理は超論理と化して視聴者から理解への努力を奪い去ってゆく。主人公「いや絶対ヤバいって」ポリ「じゃあ探してみろや」との微笑ましい協力のもと水路を調査すると、案の上サメが出てきて警官が見事殉職する。主人公も一時は危機的状況に陥るが、なんのかんのでサメから逃げきったあげく、へんなくぼみに入り込んで財宝を見つけてしまう。

 

 そして地上に生還した主人公はマフィアから呼び出しを食らう。マフィアは腐敗警官から財宝発見の情報を得ていたのだ。登場したマフィアのボスは髪の毛が臭そうなオッサン。彼は、したり顔で「君が見つけた財宝は、メディチ家が指揮した第8回十字軍が手に入れ、マルコ・ポーロが隠したソロモン王の秘宝だ」と真実を明らかにしてくれる。そう、我々日本人は洗脳されていたのだ。マルコ・ポーロと言えば「ジャップアイランドはゴールドカントリー」とかいう見聞録を書いた嘘つきアナルファッカーとしか習わなかったが、史実ではソロモンをしていたのだ。鎖国により真実から目を背け続けた我ら日本民族はマルコに尻穴を差し出して謝罪せねばなるまい。

 

 授業が終わった後、マフィア(臭そう)は婚約者を人質にとり、財宝のありかを吐かせようとする。主人公はしぶしぶマフィアの部下を引き連れて財宝のあった場所へ行くが、当然の如くサメの襲撃を受け、主人公は生き残ってマフィアは死ぬという天誅劇が繰り返される。キレたマフィア(臭い)は次々と部下を「少数ずつ」送り込む(戦力の逐次投入)。もちろん皆仲良くサメのおやつである。

 

 そして最終決戦。マフィアの基地に戻った主人公は臭(マフィア)と格闘戦となり水中で激しくもみあう。そこにまたサメがやってきてマフィアだけをセレクトしてごちそうさま、残党は正義の警官隊によって逮捕されてめでたしである。なおサメは退治されていない。ここは見逃してはならないグッドポイントである。

 

 そしてラストの別れのシーン。主人公と正義の警官隊長は熱く握手を交わし約束する。「忘れるなよ」「ベニスに」「「サメは存在しない」」2人は微笑み合う。

 

 彼等は一体何に満足しているのだろうか。こいつらを信じた私が馬鹿だった。主人公は学者として教壇に立てるのか。警官隊長は公安官として社会に胸を張れるのか。一応言及しておくと作中ではサメによってバカップルが食われたり、白昼堂々ゴンドラが呑みこまれたりしている。しかも前述の通りサメは退治されていないのである。こんなもんどう隠蔽するのか。本気で隠蔽できると思っているのなら、彼らは「ドラえもんが何とかしてくれると思った」と言えば無罪になると思っているアホ弁護士と同レベルのチンカスである。

 

 最後に言及しておくべき義務を果たさなけばなるまい。なぜベニスにサメがいたのか?その答えは、マフィア「財宝があるかもしれないっぽいところに人が近づかないようにサメを放し飼いにしました」である。この発案が、直立二足歩行への進化に成功した種が思いついた名案であるかどうか考える価値があるだろうか。その答えは皆さまと一致すると確信している。

 

 

総合評価・星3つ(500円の価値有)

★★★☆☆

 

以上