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ワンコイン・ムービ-レビュー

ワゴンセール等で500円程度で投げ売りされている映画を愛するブログ

ウォーター・パニック in L.A.

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あらすじ

「水関係ないやんけ」

 

 大都市ロサンゼルスに水道水を供給しているダムに毒が投与された。水道水が使えなくなった大都市での混乱を描く社会的パニック作品。パッケージを手に取った時にはわりと期待できるんじゃないかと思った。しかし私はワゴン界の住人として自覚が足りていなかった。パッケージには「人間の限界が試される」などと書かれているが、実際はバカの限界を延々と見ることが本作の趣旨である。

 

 登場するグループは3つ。商店を営むインド人の家族、ルームシェアしている2人の若い兄ちゃん達、そして州兵のオッサンである。これらグループのほとんどは水不足によって全くダメージを受けないというところが本作のガッデムポイントであることも先に述べておく。

 

 まずは商店経営のインドファミリーである。経営リーダーの母は、テロの速報が流れると即座に在庫を均等に市民に売るために「水は1人2パックまで」とルールを定め、水の価格を一気に3倍に値上げする。ルールはともかく値上げはないだろと息子は抗議するが、彼女は全力で息子をフル無視対応して札束と会話する高度な経営術でレジの金を満杯にしていく。社会情勢の混乱に乗じて生活必需品の値段を釣り上げればどうなるか。私は是非彼らに日本の中学校の日本史教科書を手渡し「UCHIKOWASHI」をプレゼンしたい。息子も息子で最初こそマトモかと思っていたら、そのうち彼女といちゃつき、ターバンがどうのこうのとくだらない思い出話で爆笑して事態の深刻さを視聴者に嫌と言うほど伝えてくれる。

 

 次は兄ちゃん2人組である。彼らの内、片方は常識人、もう1人は低脳である。低脳はニュースを聞くなり「俺は毒なんか怖くないぜ」といって水道水を飲むハイリスクノーリターン行為をかましたあげく酒を飲み、順調に喉をカラカラにしていく。それらがたたって結局彼らは「水が無くてヤバいぜ」と言いながらドライブを始め、友人のトレーラーハウスに助けを求めるも、麻薬を楽しみ殴り合いのケンカで内ゲバを起こして追い出される。その後はひたすら低脳がバグる。擁護できないし、したいとも思わない。

 

 残るは州兵のオッサンである。正直彼は大して目立たない。暴走した水泥棒に正当防衛射撃を加えた部下を罵ったかと思えば、自分は家族に軍の水を横流しする程度である。

 

 ラストはインドファミリーの店に低脳兄ちゃんが「ウォォォタァァァァ」と出来の悪いヘレンケラーのモノマネみたいに叫びながら突入して暴れまくったあげく州兵のオッサンに撃ち殺されるという爽やかな幕引きである。

 

 上述した通り本作は登場人物がことごとくバグっているかアホであり何の感情移入もできない。しかも舞台背景として大都市での水不足の恐怖という描写が全くと言ってもいいほどなされていないことは注目に値する。特に暴動がおこるわけでもなく、市民は列に並んで水を買うし、州兵はちゃんとミネラルウォーターを配給している。

 

 本作から学べる事があるとすれば、「テロよりバカの方が怖い」という程度であろうか。非常に愚かな作品であった。

 

 

総合評価・1つ(神が憐れむレベル)

★☆☆☆☆

 

以上