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ワンコイン・ムービ-レビュー

ワゴンセール等で500円程度で投げ売りされている映画を愛するブログ

ドゥーム

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あらすじ

「バババババ(銃声)」

 

 「火星のラボでなんか事故が起きたっぽいから、お前ら特殊部隊が調査してこいや。ヤバい事になってたら、ためらわずにブチ殺してもええんやで」というのが本作のストーリーである。まさにシンプルイズベスト。昔シャウプとかいうオッサンが「税金はわかりやすいほうがステキなんやで」的な事を言ったらしいが、娯楽映画にもこの発言は当てはまると愚考する。

 

 主人公達特殊部隊はラボを調査、研究リーダーの博士を発見して保護するが、彼はすでにバグっていた。あげくバケモノの攻撃で部隊は死者を出してしまう。その後も特殊部隊は状況を把握するために調査を続けるが、バケモノの襲撃を受け損害を重ね、被害は研究者や民間人にまで広がってしまう。

 

 現場にたまたま居合わせた主人公の姉である学者は、リーダーの博士が違法な人体実験でクリーチャーを生み出した事実を明らかにする。こいつに攻撃されると選択肢は3つ。①クリーチャー化する ②ゾンビ化する ③普通に死ぬ、よりどりみどりである。これらが明らかにされたところでストーリーは変わらない。特殊部隊「ほれほれライフルやで(バババ)」、バケモノ「グエー」という素晴らしい世界が視聴者の精神を浄化していく。決して馬鹿にしているわけではない。部隊員の動きはきちんと演技指導がされているのだろう、キビキビとした動きでルートをクリアリングしつつクリーチャーと激戦を繰り広げる。使用する銃もすばらしい。おそらくはG36をベースにして作られたであろうそれは、架空の銃と切って捨てるにはもったいない男臭さを放っている。

 

 登場人物は全体的に個性不足感が否めなかったが、それでも十分及第点を超えている。例えば部隊の一員であるニット帽の兄ちゃんは、死んだ戦友を見て悲しみを隠さない。それをみた姉学者は「貴方は心が広いのね」と慰めの言葉を掛ける。それに対して彼は「俺はチンポもデカいぜ」「俺と寝るのは市民の義務だ」といきなり下ネタ方面へとベクトルを急転回させる。これだけ読むと結局ただのゲスじゃねえかと思うかもしれないが、しんみりしたムードを良くしようとの彼なりの発言であることは述べておかなければならない。

 

 これに対して悲惨なのは入国管理官的な立場にいる兄ちゃんである。彼は車椅子に乗った技官であるにもかかわらず、部隊の隊長にピストルと手榴弾をブン投げられ、「何かあったらそれで何とかしろ」と凄まじく具体的な指示を丸投げされる。もちろんそんな糞みたいな指示でなんとかなるはずもなく、彼はクリーチャーに殺されたあげく、自身もクリーチャー化して、さらに主人公に撃ち殺されるという哀れにも程がある扱いを受ける。

 

 さて本作最高のヒーローである部隊の隊長は、主人公達の「生き残りの中には感染してない人もいるんだから彼らは救助すべきだ」との進言を無視。「生き残りはみんな殺して徹底的に浄化するんや」と強硬に主張する。しかしこれだけならばまだ擁護は可能だった。感染についての詳細が解明されていない以上、さらなる犠牲が増えるリスクを回避するため現場判断で緊急避難措置を講じたとして弁護できる(ここでいう緊急避難がどの法に定義されるものかはわからないし考える気もない事は謝罪しておく)。

 

 では隊長の何が素晴らしいのか?ご説明しよう。彼は前述のとおり、非感染者を含めた殲滅処置を命じている。その過程で彼はクリーチャーの攻撃を受けてモロに感染する。その瞬間に彼は変節し、姉科学者を脅して抗体をブチ込み「俺は大丈夫だぜ」と開き直る。正々堂々とは彼のためにある言葉であろう。なお抗体を投与したにも関わらず結局彼は凶暴化したので主人公によって見事殺害されてハッピーエンドである。

 

 本作は、週末疲れて動く気の無い時に、ポテチでも食べながらごろ寝して観るのに適したシンプル娯楽映画であると評価できる。

 

 

総合評価・星4つ(ステキやん?)

★★★★☆

 

以上