ワンコイン・ムービ-レビュー

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ジュラシック・プレデター

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あらすじ

「偏差値50」

 

 アラスカの氷が溶けて、伝説の悪魔ワイバーンが蘇り、小さな町を襲うぜ!というのが本作のストーリーである。ジュラシックでもなければプレデターでもないことはあえてツッコまないでおこう。寛容の精神というものは美徳である。

 

 映画そのものは結構まともなものである。生き残ったトラック運転手の主人公とウエイトレスのヒロイン、退役軍人のおじいちゃんに老猟師、地元ラジオの女DJ、後は天パ男と認知症のおばあちゃんがワイバーンに立ち向かう。壊れた無線を修理するために決死の覚悟で屋外に部品を取りに行く主人公、襲い来るワイバーン、主人公を援護する仲間達。彼らは決してバカではない。

 

 小規模な戦闘の末、ワイバーンとの決戦が始まる。生き残りたちはワイバーンの巣から卵を持ち出して囮にして地の利を得、ワイバーンに対してトラックで特攻をかけてこれを倒す。微笑み溢れるハッピーエンドであり特に悪態をつくべきところは無い。

 

 あえて言うなら登場人物全般に個性が無いのが気になった。技能を持っているのは女DJぐらいで残りは銃を撃ったり走ったりしているだけ、特に天パとおばあちゃんはそれすらせずにひたすら立つか座っているかしかしていない。この2人は何故キャスティングされたのだろうか?なんらかのコネで出演したのかとも考えたが、それにしては何の活躍も無いモブ同然の役にコネを使うというのもおかしな話であり考えるほどに謎が深まる話である。

 

 本作について言及する義務が1つある。それはある保安官の活躍である。町を守る保安官は2人。1人はハゲの中年男性で、もう1人はデブオバサンである。ハゲはまともに警察活動を行っている。序盤こそワイバーンを信じなかったが、犠牲となった遺体の一部を見るや緊急事態と判断、住民に警戒態勢をとるように伝え、デブオバサンに市民の警護をまかせて自分は連絡のつかない市民の安否を確かめるためにパトカーで巡回する。

 

 しかしデブオバサンは彼のごとき職務への責任感を全く持ち合わせていなかった。警護なんぞどうでもいいわとばかりに、バーベキューをしている兄ちゃんのところに行って「私は裁判所にコネがあるわよ」と腐敗国家の官憲の見本のごとき弁舌で焼き肉をかっぱらいペロリと完食。その後はパトカーでお昼寝である。ブチ切れたハゲの無線で嫌々起床した彼女は市民に「みんな~、うちの上司がなんかヤバいって言ってま~す」と拡声器でちんたらしゃべっているところをワイバーンに捕食された。そのシーンは本作最高のスカっとするシーンであったことはいうまでもない。しかしながらこのデブオバサンのせいでハゲまで巻き添えで殺されてしまったのが残念でならない。「恐るべきは有能な敵ではなく無能な味方である」とは誰の言葉か忘れたが、デブオバサンは無能な味方の鑑である。ハゲに合掌。

 

 

総合評価・星3つ(500円の価値有)

★★★☆☆

 

以上