ワンコイン・ムービ-レビュー

ワゴンセール等で500円程度で投げ売りされている映画を愛するブログ

ゾク議員

f:id:public-technocut:20161014211244j:plain

あらすじ

「自由よ、汝の名の下でいかに多くの罪が犯されたことか」

 

 ある市ではブラックパンサーズという集団が勢力を誇っていた。彼らは違法改造された自動二輪車を走行させ、街に住む善良な市民に騒音を提供するという奉仕活動を行う非営利団体である。しかしある日、市のメインストリートが道路工事のため封鎖され、暴走ができなくなってしまう。

 

 それを聞いた本作の主人公、ブラックパンサーズの初代総長は「オレ達の道にナメた真似しやがって」と公共財産たる道路を私物化するという高潔な目的のために、悪徳はびこる市役所へと突入する。当然彼が相手にされなかったのは言うまでもない。

 

 「だったら俺が市議になって街を変えてやるぜ」と高らかに宣言する主人公であるが、彼はプーでヒモの造糞機である。供託金の50万円を用立てるために、金ヅルの女に頭を下げるも「働け」と正論で反撃される。しかし彼は逆ギレにより女から50万を調達することに成功する。

 

 選挙スタッフは全員ジャージや特攻服で身なりを整える。ウグイス嬢はキャバクラからスカウト。選挙カーは下品な中古のスポーツカーと違法改造バイクである。主人公はこれらを駆使して箱乗りでわめきちらし市民の支持を得る。

 

 主人公に対抗するベテラン市議は、チンピラというだけで主人公を毛嫌いしている。なんという器の小ささであろうか。このベテラン議員など主人公に比べればカスに等しい活動しかしていない。彼は前市長の不正を糾弾、辞職に追い込んだ後、赤字財政解消のため企業誘致やニュータウン建設を推進。そして人口増加と税収の確保を達成し市の財政健全化に貢献した程度の能力しか持っていない。こんな小者の政策など「街を好き勝手に爆走してェ」という自由の名の下にはゴミクズ同然である。

 

 選挙の結果、主人公は最下位で落選となる。しかし当選した議員の1人が心筋梗塞で倒れたことで繰り上げ当選する。全く何の伏線も無い痛快な逆転劇である。

 

 ラストは主人公が返り血のこびりついた汚らわしい特攻服を着こんで市役所に出向き、「議員参上!」と叫び自由と地方自治の勝利を宣言して終わりである。

 

 デモクラシーとはいったい何なのか?地方議員とはいったいなんなのか?野々村某や富山市議会のことを念頭に、これらの観点から見れば本作はわりかし価値があるんじゃないかとも一瞬思ったが、冷静に考え直したら本作の内容自体はチンピラが騒いでるだけなので何の勉強にもならない事実を確認した。すなわち本作はゴミである。

 

 

総合評価・星1つ(神が憐れむレベル)

★☆☆☆☆

 

以上