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ワンコイン・ムービ-レビュー

ワゴンセール等で500円程度で投げ売りされている映画を愛するブログ

アーミー・オブ・ダークネス

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あらすじ

「暗黒でも魔人でも軍団でもない」

 

 時は古代、フン族アッティラ王はソロモン神殿のモーセの杖により最強の勢力を誇っていた、という歴史用語を脈絡なく混ぜまくったわけのわからない前提説明がなされる。開始数分で世界史を改変するストーリー担当者の思い切りの良さはある意味尊敬に値する。そして現代、大正義アメリカ軍のジジイが秘密部隊を送り込みアッティラ王の息子のミイラとモーセの杖を回収するところから物語は進みだす。

 

 回収されたミイラは考古学者の手によって保存措置がとられるが、この学者は古代のミイラを素手で乱雑に取り扱ったあげく、勝手に手を怪我してミイラの上に血をこぼすという研究者の手本と言える丁寧な文化財取り扱い方法を我々に教授してくれる。その後とりあえずミイラは復活し、考古学者と警備隊を皆殺しにしてモーセの杖を奪い逃走。主人公率いる部隊はミイラを追跡する。ミイラと米軍の戦闘シーンはこの手の映画お決まりの様式美によって大半が構成されている。すなわち、米兵「銃バババババ」ミイラ「ウオオオオ(そんなん効かんで)」米兵「ウギャアアア」、である。この誘眠映像が続いたかと思えば、ミイラは「現代軍用車両の下に潜り込み、変速機とブレーキと燃料系統を一瞬で破壊する」といった時を超越した戦闘テクニックを披露したりもうなにがなんだかである。

 

 戦いの末、杖を取り戻してジジイに届けることができた。ここで今までの任務の目的が明らかにされる。実はジジイはガンに侵されているため余命を伸ばすために杖を使おうとしていたのだ。もはや老害とかそういう言葉で終わる問題ではない。霊長類として頭がバグっているとしか言いようがない。

 

 しかも結局モーセの杖は効果が無く、ジジイは自然発火して燃え燃えキュンとメイド喫茶的に地獄に落ちた。すると何の脈絡も無くアッティラ王が復活、息子のミイラとバトルを始めるがその様はただ組み合ってウンウン唸っているだけである。何が悲しくてこんな近親相姦ゲイポルノみたいな映像を見なければならないのか、吐き出したくても吐き出せない種類の感情がこみ上げてくる。ちなみに最後は爆弾でドカンと吹き飛ばし、これで終わったぜと思いきやガレキの下からミイラの手が出てきて不安を煽ってエンドという何回見たかわからない斬新なシーンで幕を下ろす。

 

 本作の救いどころは、アジア系の機関銃手と黒人の運転手である。アジア系はわずかな時間ではあるが、軽業師の様な体術によりミイラと正々堂々タイマンを張る見事な武闘シーンを本作に残す功績を成し遂げた。黒人は負傷しながら車でミイラに体当たり、仲間を逃がした後は手榴弾で自爆という無形伝統文化財的な死に様により俳優としての矜持を我々に見せてくれた。この2人には心から感謝の意を表したい。

 

 

総合評価・星3つ(500円の価値有)

★★★☆☆

 

以上