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ワンコイン・ムービ-レビュー

ワゴンセール等で500円程度で投げ売りされている映画を愛するブログ

クレイジーワールド

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あらすじ

「自覚が無いって怖いね」

 

 父、母、息子、娘の4人家族が荒れた都市からひたすら脱出を図ろうとする。他の人間はどうなったのか?なぜ彼らは逃げなければならないのか?理由は全く分からない。政府からの情報も無いまま、不透明な状況の中ひたすら逃避行する姿は無力な一般人の不安感をうまく表現している。

 

 ストーリーの進行は正直単調である。道中で武器や物資を手に入れながら、ただひたすら身内を頼って都市部から逃げようとする。しかし暴徒であろうか、謎の武装集団が彼らを執拗に追いかけてくる。家族は警戒しつつ歩みを進めるのだが、やがて母と娘が殺され、息子も凶弾に倒れ、ついに残ったのは父だけとなってしまう。家族を皆殺しにされ怒り狂った父は、ライフルを手に暴徒の根拠と思しき廃屋に突入し、一味と思われるデブを刺殺する。そこにはデブに監禁されていた青年がおり、父は彼を開放する。その後残りの一味を掃討しようと捜索を続けるも、あえなく一味の手によって気絶させられてしまう。

 

 やがて意識を取り戻した父は、一味から衝撃的な話を聞く。それは「謎の思念体によって操られた人間が無意識に殺人を犯している」という信じがたい話であった。一味によると、デブは正常な人間であり、監禁されていた青年は思念体によって操られている可能性があったから閉じ込めて経過を見ていたとのことであった。父は半信半疑でその話を聞いていたが、自分が解放した青年が乱入してきて一味をナタで皆殺しにしていく光景を目にすると現実を認めざるを得なくなる。殺戮が終わった時、父は今までの記憶を思い出す。

 

 実は父も思念体によって操られており、家族を殺したのは他ならぬ父だったのだ。武装集団が追いかけてくるというのは思念体に見せられていた幻想だったのだ。全てを思い出した父は絶望の中号泣し、ライフルで自決するというバッドエンドで本作は幕を下ろす。

 

 結局、思念体とやらは一体何なのかがはっきり明かされない点は個人的に気に入らないが、「正確な情報が得られない謎の状況の中、一般市民が逃げ惑う恐怖」が本作の趣旨であると推察される以上、この点について批判することは妥当ではないとも考える。正直パッケージを店頭で見た際には「クレイジー」だの「人類発狂」だのといった謳い文句は詐欺であり、「どうせ発狂してるのは制作陣だろ」と半分バカにしながら購入した本作であったが、それは私の愚かな先入観だった。たまにこういう当たりの作品を引くと素直に嬉しい。

 

 最後に、凄まじくどうでもいい情報を提供しておきたい。本作で父が使用する銃は、リー・エンフィールドというイギリス軍のライフルである。スペインのデニックスというメーカーがこれのレプリカを3万円程度で販売しているので、仕事やプライベートで疲れた時に「無意識で家族を皆殺しにした事に気づき、絶望の中自決するオヤジごっこ」でストレスを解消したい方は購入を考えるのも一興ではないだろうか。

 

 

総合評価・星4つ(ステキやん?)

★★★★☆

 

以上