ワンコイン・ムービ-レビュー

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サウンド・オブ・サンダー

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あらすじ

「タイムトラベルはヤバイ

 

 近未来、ある企業がタイムマシンを開発することに成功した。その企業は、地方都市のメガネ屋の様な豪華な社屋で白亜紀へのタイムトラベル事業を順調に進めていた。この企業の社長である白髪の社長は銭ゲバのクズであり、この事業でブルジョワから金を巻き上げてウハウハ状態である。タイムトラベルシステムの責任者である主人公の科学者は、過去に絶滅した動物を再現するという学術的な夢のために、渋々ながら白髪銭ゲバに従っている。

 

 「過去からは何も持ち帰ってはいけない。何故なら過去改変が起こる可能性があるからだ」このルールを守っている限り事故は起こらない。しかしながら、いつもと変わらないトラベル中に異常事態が発生する。護衛役が持つ銃が故障し、恐竜に襲われたのだ。その危機自体はなんとか脱することができたのだが、その際に、「何か」を現代に持ち帰ってしまったのである。その結果「時間の波」が地球を覆い、進化の歴史がズタズタになってしまう。波が来るたびに社会は崩壊へのカウントダウンを刻んでゆく。

 

 滅びゆく人類社会の中、主人公達科学者チームは、必死に過去から持ち込まれた「何か」を特定しようと奔走する。道中では異常進化したゴリラトカゲやブタコウモリに襲われ犠牲者を出す。この過程で、傷ついた黒人の技術者が「俺はここに残って敵を食い止める!お前達は先に行け!」と漢気を吐き、家族を思いつつ奮戦して殉職するシーンは、完璧な様式美として文化遺産登録すべきであると進言する。

 

 調査の結果、タイムトラベルの際に客が、卵を孕んだ蝶を踏みつけて殺してしまっていたことが判明する。それが進化の過程を乱していたのだ。まさにバタフライエフェクトというわけである。正直「ちょっと安直すぎるんじゃねえか」と首を傾げたが、まあご愛嬌の範囲内であろう。

 

 その後は主人公が「スリングショット」なる、よくわからんタイムトラベル術によって、客が蝶を踏み殺すのを食い止めてハッピーエンドである。

 

 本作は全体的にまともな作品であるが、不満が残る点を1つ指摘しておきたい。それは白髪銭ゲバが最終的にしばかれていないという点である。この銭ゲバは相当ハイレベルなクズである。タイムトラベル技術の特許を盗んだり、悪徳役人と結託して監査を潜り抜けるのは序の口である。「過去からは何も持ち帰ってはいけない」このルールを確実に守るために、タイムトラベルマシンにはフィルターが装着されており、これが過去の物質の侵入を防ぐはずだったのだが、この銭ゲバは「フィルターにつかうエネルギー代がMOTTAINAI」と経費削減の鬼としてリスク管理を徹底していたのである。近未来に美しく花開いた、コストカッター清水の後継者として、彼は評価に値する人物である。しかしこの銭ゲバは、部下のスタッフに「フィルター切ってるのはわかってるんだぜ」と指摘されただけで何の罰も受けていない。

 

 「悪党は死すべき」これも創作における重要な様式美ではないだろうか。この白髪銭ゲバは、中盤で仲間を守って死んだ黒人技術者の爪の垢を煎じて飲むべきである。

 

 

総合評価・星3つ(500円の価値有)

★★★☆☆

 

以上