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ワンコイン・ムービ-レビュー

ワゴンセール等で500円程度で投げ売りされている映画を愛するブログ

カンガルー・ジャック

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あらすじ

「黒デブ最高」

 

  本作の主人公は美容師の白人男性。彼自身は真人間であるのだが、母親がマフィアのボスと再婚した関係で、息苦しい生活を強いられている。彼の人生に華を添える存在が本作の真の主役といっても過言では無い、友人である黒人のクソデブである。彼は運送業で一攫千金を夢見る起業家である。彼の仕事力は、ネコの尻穴にダイヤを隠して密輸を企て警察と関係を持つことに成功するほどの善意溢れる誠実なビジネスパーソンぶりに代表される。

 

 ある日主人公は黒デブのトラブルに引きずり込まれ、義父であるマフィアの倉庫を壊滅させてしまう。懲罰として2人はオーストラリアの僻地へ運び屋として飛ばされる。しかしながら黒デブは完全に旅行気分でウハウハ。あげく「絶対に開けるな」と命令されていた荷物を開封してしまう始末。中身は現金5万ドル。黒デブは狂喜してトイレ中の主人公の元へ駆け出す。この際のやりとりシーンが私の一番のお気に入りである。なにせ成人男性が2人、狭い機内トイレで「すげえ量だぜ」「頬ずりしてキスしたい」と叫んでいるのである。これを聞いていたCAは2人を汚物愛好性癖のゲイカップルと勘違い。実に最高のコントであった。

 

 オーストラリアに到着した後、黒デブがレンタカーでカンガルーをはね飛ばしてしまう。主人公がカンガルーを弔おうとすると黒デブは「せっかくだから」という人間味あふれる理由でカンガルーにグラサンとシャツを着せて記念写真を連写する。しかしカンガルーは死んではおらず、復活してその場を元気に立ち去ってゆく。シャツを着たまま。そのシャツには5万ドルが入っている。主人公は黒デブの阿呆ぶりを罵りながらカンガルーの追跡を開始する。

 

 レンタカーでの追跡は岩に衝突して失敗。次は小型機で空中からカンガルーを捜索して麻酔銃で眠らせるプランを練るが、黒デブが操縦士を麻酔銃で撃ってしまい墜落する。あきらめずに環境保護官の協力を得て投げ縄で捕獲する作戦に出るも、カンガルーにこっそり接近する最中に黒デブが「股間にアリが入った」とわめきちらし作戦を台無しにする。こうして四苦八苦しているうちにマフィアの追手が主人公と黒デブを殺しに襲い掛かってくる。迫力ある逃走劇が展開されるが、最後は地元警察が唐突に出てきて問題を解決するというのはいささかご都合主義である。まあこの手の作品にシリアスな捜査劇など必要ないので何も問題は無いのだが。

 

 本作はタイトル、パッケージ共にカンガルー推しのアニマルムービーの様に錯覚してしまうがそれは完全な間違いである。本作はただひたすら愚かなクソのごとき黒デブを愛でる作品であり、デブが地球の全てであるとすら思えてくる素晴らしい映画である。

 

 唯一気になったシーンは、黒デブがマフィアと対峙した際に切った啖呵である。「俺はリトルリーグで奪16三振の名投手だった。ついたあだ名は“サイゴードン”意味は、12歳のふりをした巨人だ」明治維新の三傑の1人がなぜかリトルリーグの巨人と化している点については日本人として理解しがたい光景であり、制作者の脳をぜひ解剖してみたいと感じたシーンであった。

 

 

総合評価・星4つ(ステキやん?)

★★★★☆

 

以上