ワンコイン・ムービ-レビュー

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アルマゲドン2007

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あらすじ

「月が落ちてくる」

 

 ある時、小惑星が月に衝突。その影響で異常気象が世界中を襲い、その上破壊された月の破片が地球へと降り注ぎ、大都市は次々と被害を受ける。特にメキシコシティーは壊滅の憂き目にあう。衝突の影響で月にできた亀裂は拡大の一途をたどり、このままでは月そのものが落下することになり地球は滅亡してしまう。

 

 この事態に対応すべく合衆国は優秀な天文物理学者やビル爆破解体のプロを集結させてプランを練る。そして2つの案が持ち上がった。まずはプランAである。これは「月の亀裂に核爆弾をブチ込んで亀裂を修復する」という非常に論理的な正攻法である。大正義ニュークリアウェポンの登場はともかくとして、こいつらは修復の意味を理解しているのだろうか。修復とは壊れたところを治すことであり、傷口をいじくりまわして広げることでは断じて無い。ヒビの入ったツボをハンマーで叩き割れば修復完了じゃん♪と言い張るがごとき彼らの暴論はもはや一種の哲学であるのかもしれない。少なくとも私の脳細胞のレベルでは理解不可能な思想である。

 

 続いてプランB。これは「月は鉄でできてるんだから電磁波で溶接して亀裂を直そうぜ」というものである。残念ながら私は工業系の知識はロクに持ち合わせていないのだが、溶接というのは電磁波で行うものなのだろうか?町工場でマスク付けてバチバチやってるオッチャンは日々電磁波を操ってメシを食っているということなのだろうか?とりあえず電磁波で溶接ができるとしても月のごとき天体を溶接するのにいったいどれだけ莫大なエネルギーが必要であるかは考えるまでも無いだろう。これらクソの様なプランに比べれば「亀仙人かめはめ波を撃ってもらって月を粉々にしようぜ」とかいう方がまだマシであろう。

 

 結局「とりあえずは核でいこうぜ」ということでスペースシャトルが出発する。なおこの重大なミッションに従事する人員はなんと3人に上る大軍である。潤沢な人的資源に涙がちょちょぎれそうになる。彼らが飛び立った後、隕石のサンプルが解析され「月は金属でできてるから溶接の方にしようぜ」とプラン変更がなされる。

 

 なおこのサンプルを持ってきたのはたまたま現場にいた民間人である。合衆国の研究所は隕石のサンプル採取すら怠っていたのである。そこらの田舎県警以下の捜査分析能力にはもはや脱帽するしかない。

 

 対策チームのスタッフ達はは「核爆弾とシャトルのエンジンでうまいこと電磁波をつくるぜ!」と作戦を成功への歩みに乗せる。ここまで能天気だと人生楽しいだろうなあ、今俺はゴールデンウィークの貴重な90分をクズ籠に捨ててるんだなあと色々な思いが頭をよぎる光景である。ラストは電磁波万歳。月は元通りでイエーイである。

 

 なんだかんだで本作は科学考証無視のバカ映画として十分暇つぶしに耐えるレベルではある。メタリックシルバーに塗装されたスペースシャトルが隕石群を回避しつつ亀裂に突入するシーンは力が入っており、それなりに引き込まれたことは告白しておく。

 

 

総合評価・星3つ(500円の価値有)

★★★☆☆

 

以上