ワンコイン・ムービ-レビュー

ワゴンセール等で500円程度で投げ売りされている映画を愛するブログ

ファイアー・フロム・ビロウ

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あらすじ
「リチウムって怖い」

 

 とある企業の鉱山でリチウム鉱脈が見つかった。さっそくサンプルを採取しようとするスタッフだったが突然の大爆発により全員が死亡してしまう。それはL6リチウムという恐ろしい物質であり、水と反応して激しく燃え上がる性質を持っていた。さらにL6リチウムは自ら水を求めて活動し、街中へとその手を伸ばす。

 

 街中で反応を起こしたL6リチウムにより住民は全滅。周辺地域には軍による戒厳令が敷かれる非常事態にまで陥ってしまう。この際犠牲になった人々の苦しみを忘れてはならない。便所の手洗いの水回りからL6リチウムが入り込んだことにより、大便器ごと吹き飛んだエロジジイなどは実に悲劇的であった。


 さらに特筆されるべき被害者は、ある黒人のデブである。彼は中古車屋で30万円ほどで売ってそうな高級ピックアップトラックの中で彼女といちゃついていた。やがて彼は彼女に青姦を提案する。そのために地面に敷く用の毛布を取りに車外に出た彼はついでに立小便を決行する。その際彼が射出した尿がL6リチウムと反応。その結果彼は男性器を着火点として爆発炎上することに成功し無事死亡した。彼女とのメイクラブに胸を高鳴らせ、上りに上がっていた彼の性欲は、紅蓮の炎によって無残にも焼き尽くされてしまった。この悲惨な光景を思い出すたびに笑いがこぼれてしまうのを止めることは誰にもできないであろう。結局このシーンは3回ほど繰り返し見てしまった。

 

 鉱山経営者のオッサンも企業人の模範と言える高潔な人物である。彼は部下に「報告はこまめにしろ、さもなくばクビだ」と脅しをかけつつ、自らはラスベガスで遊びほうけることで報告が機能しない事態を創出することに成功する。L6リチウムにより数百人が犠牲になった事実を突きつけられても「仕方がない」の一言で終わらせる明瞭な思考力は彼の知能レベルの高さを表している。被害が報道の対象となるほどに拡大すると、彼はTVに出演して「我々は軍と協力し消火活動に当たっています。これは企業として当然の義務です。」と気高い妄言を吐く。キャスターが「当然もクソもてめえが原因だろうが」と追究すると「訴えるぞボケ」と迅速に反撃する様は、彼が訴訟大国アメリカにおいて必要なリーガルマインドを備え持っている証明であろう。

 

 事態収拾のために集まった地質学者達と軍は協力して「一晩でなんとかするぞ」とジェバンニ並みの気合を入れて作戦を立案する。その作戦は「炭素爆弾をコアにぶち込む」というわかったようなわからないような論理的かつ非論理的な作戦だった。結論としてこの作戦は成功してハッピーエンド。なおクソ経営者は何の罰も受けずにラストまで生存しており、勧善懲悪というものは人々の理想に過ぎないということを再確認させてくれた。

 


総合評価・星3つ(500円の価値有)
★★★☆☆

 

以上