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ワンコイン・ムービ-レビュー

ワゴンセール等で500円程度で投げ売りされている映画を愛するブログ

ツイスター2008

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あらすじ
「気象学者の姉と保安官の弟が竜巻に立ち向かう」

 

 この映画は素晴らしいパッケージ詐欺である。ツイスターという単語から連想される災害パニックは本作において期待できない。街を襲う竜巻は車やボートを軽々と宙に浮かせ、学校などの建造物を廃墟にするパワーがある。しかしながら主人公たちはその恐るべき力の接近を、土手に伏せるだけで回避する。竜巻の恐怖をこれでもかと煽っておきながら、それへの対処法は実にお粗末なものであり失笑を禁じ得ない。また本作序盤では竜巻の発生原因を地球温暖化のせいであると断定し、「手を打つのが遅すぎた」などと力説するのだが作品全体を通してみると環境問題へのメッセージ性は皆無である。私の推測に過ぎないのだがこれには「自然現象の竜巻がでてくる話なんで、今はやりの地球温暖化ってワードをとりあえずブッ込んどきましょうよ」という様な制作サイドの浅い考えが浮き彫りになった結果だと勘ぐってしまう。

 

 本作から価値を見出そうと努めるならば、本作を人間ドラマとして捉えなおす必要があるだろう。主人公の姉弟は過去に両親を竜巻で失った過去を持つ。その心の傷から姉弟仲はずっとギクシャクしていた。それを取り持つために弟の妻が夕食会をセッティング、関係修復へ一歩を踏み出すがそこに竜巻が発生する。なお姉には一人娘がいるが親子仲もこれまた微妙である。娘いわく「ママはワーカホリックで会話もできない」とご傷心。竜巻の発生によりアドバイスを求められ、自分をほったらかして働く母をみてつらい思いをしているところにチャラ男が表れて彼女を誘惑、挙句の果てにはレイプ未遂の事態にまで発展する。竜巻の危険が迫る中、姉弟は必死に娘の行方を捜し、娘を助けることに成功する。

 

 ここまでは良しとしよう。しかしながら姉弟の和解という最重要のテーマははるか彼方に置き去りにされたまま何の進展も無く終わる。挙句の果てには現地で再会した気象番組のレポーターが娘の実の父親であるなどという唐突な事実が大した脈絡も無く追加される。ラストはレポーターと気象学者の姉が娘を囲んで和やかに語り合う。結局本作は姉弟仲を修復したかったのか、父親問題を解決したかったのかどっちつかずの中途半端なものであり、人間ドラマとして見た場合でも苦言を呈せざるを得ない。しかしながら俳優陣の演技は評価に値するなかなか堂々としたものであったし、500円で買った映画にこれ以上を求めるのは過剰要求であるとの自省の心も沸き上がってくるのも事実である。

 

 

総合評価・星3つ(500円の価値有)
★★★☆☆

 

以上

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