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ワンコイン・ムービ-レビュー

ワゴンセール等で500円程度で投げ売りされている映画を愛するブログ

スパイモンキー

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あらすじ
マッドサイエンティストの企みを潰すため、チンパンジーが頑張る」

 

 本作は苦痛なく見ることができるコメディアクションである。雨の日に恋人とダラダラおしゃべりしながら視聴するには最適と言えるだろう。元スパイエージェントのチンパンジーという設定から香り立つ出落ち感は否めないものの、真面目にバカをやっているこのノリは嫌いではない。主役のチンパンジーは激剣を嗜み、ショックガンを扱い、カクテルもつくる。ダンスだって踊れるし、ヘリコプターにも飛び移れる。戦闘シーンもコメディめいたもので流血シーンなど全くない健全なものである。反面ストーリーは「天才小学生の開発したドリルで地球の核を掘って莫大なエネルギーを奪う」などと薄っぺらいものであり、握手券についてくるCD程度の価値しかない。

 

 ところで本作の主な舞台、ドリルで掘ったるで派のマッドサイエンティストと、そんなんさせへんで派のチンパンジーが激突する地は他でもない我らが日本国である。本作は余すところなく神の国日本の魅力を表現している。街中で見られる看板は非常に堪能な日本語で書かれている。例を挙げればホテルの入り口には「販売のために」との営業精神豊富な看板が掲げられ、公衆電話には「歩く電話」との表記がなされている。おそらくウォークマンあたりと混同したのだろうが文化考証係の知性が見え隠れする光景である。登場する日本人はチャイナタウンかコリアタウンからスカウトしてきたのであろう、訛りのひどい日本語をドヤ顔で話している。ホテルのポーターは突如現れたチンパンジーを見て何等不審がることなくひたすら「イラッシャイマセ」と壊れたラジオの様に繰り返す。ホテルの警備員が拳銃で武装しているところも安全都市ジャパンを体現しており評価できる。

 

 ストーリー中盤でチンパンジーが雪山で遭難するシーンでは謎の忍者らしき装束集団が現れてチンパンジーを介護する。その後集団のボスがチンパンジーに「貴方の中の秘められた内なる力を開放するのです」とほざきだす。この発言から察するに彼等が変な方向に内なる力を開放しているのは確実である。あげくこのボスが力の解放のためにチンパンジーと戦うシーンでは、ひたすらボスがチンパンジーに股間を殴打されて吹き飛んだだけという何がしたいのか理解不能な光景が展開される。なおこの装束集団はグルカ刀を振りかざした金色のチンパンジー像をお堂に祀っているのだが、彼等をここまで追い詰めた日本社会の病理について、私たちは真剣に向き合うことが求められているのではないかと愚考する次第である。

 

総合評価・星4つ(ステキやん?)

★★★★☆

 

以上