ワンコイン・ムービ-レビュー

ワゴンセール等で500円程度で投げ売りされている映画を愛するブログ

ウーマン・コップ

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あらすじ
「裁判所の出頭要請に応じない保釈者たちを次々と逮捕していく女賞金稼ぎ達の物語」

 

 本作は断じて映画ではない。せいぜいが五流ポルノのできそこないである。全編を通してクソのような小芝居とエロシーンの繰り返しでありストーリーに筋が無い。ときおり流れるうわ言のようなポエムも視聴者の神経に地味なダメージを与えてくる。

 

 ヒロイン達はこれ見よがしに銃をぶら下げて格好つけているが、銃撃戦のシーンはラストの方に1分あるかないか程度。通常の逮捕シーンにしても、冴えないオッサンが油断しているところに乗り込んで手錠を掛けるのみである。この繰り返しを延々90分観るには相当の精神力が必要だろう。俳優もまったくお話にならない。棒読みの演技、個性のないキャラクター。プロの賞金稼ぎのくせに銃を左右に振り回しながら突入し、銃口が仲間の方に向いているシーンすらある。一歩間違えれば仲間を誤射であの世ゆきにしかねない愚行であり、一番恐ろしいのは優秀な敵ではなく無能な味方であるという格言を思い起こさずにはいられない。捜査にしても、情報を提供してくれた協力者を敵の眼前に放置し危険に巻き込むわ、確保した相手から押収した証拠品の麻薬を大便器にぶち込んで流し去るわ、公安関係者が見たら絶句しそうな光景が展開される。

 

 エロシーンにしても全くもって評価点が無い。全裸の男女が重なって「オーイエーベイベー」とかほざきながら体を振動させているだけでありポルノとしての価値すら本作からは見いだせない。

 

 本作からなんとか救い所を見つけようとすれば、それは「異文化を吸収しよう」と努めている所である。それはヒロインの1人がストレス解消のために空手をやるシーンだ。空手道場の壁には「福」だの「春」だの空手から容易に連想される漢字がプリントされたボロ布が貼り付けられ、棚には日本刀が飾られている。ゲストとして登場する師範代は青龍刀を振り回しながらタコ踊りを披露する。フィニッシュは道場でSEXである。本シーンはこの映画が日本文化を深く理解した知的な作品であることの証明であるといえよう。

 


総合評価・星1つ(神が憐れむレベル)
★☆☆☆☆

 

以上