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ブラックホール ~地球吸引~

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あらすじ
「アメリカ、セントルイス市の研究所での実験中、突如ブラックホールが発生。さらには人型の光体も出現して変電所から電力を奪いブラックホールを巨大化させてゆく。地球はどうなってしまうのか」

 

 この危機に対応する主人公は小汚いヒゲのメガネ親父。離婚により娘の親権を失い、情緒不安定となったため研究所を解雇された科学者という過去を持つが、この設定は作品において全く活かされていない。ヒロインとなる相方は巨乳で金髪美人の科学者という点で救いがあるものの、結論としてメンヘラ親父と巨乳の姉ちゃんを対ブラックホール作戦の頭脳として位置付ける合衆国の寛容さは尊敬に値する。


 もちろんこの2人だけでなく、軍もサポートに入るわけなのだが、彼らの野蛮人ぶりは突き抜けるような爽快感を視聴者に与えてくれる。彼らの行動パターンは2つ。パニックになって銃を乱射するか、「核を使うんだ!」とわめき散らすかのどちらかである。科学者サイドは「ブラックホールは何でも吸い込んじゃうんやから核なんて何の意味も無いんやで」と正論をぶちまけるも、それに耳を貸すのは現場指揮官のおっちゃんだけで残りはそろって「核兵器万歳」の大合唱。


 アホな脳筋軍人共は放っておいて科学者達は科学者らしく、理論的な作戦を練り始める。合衆国が誇る知性が生み出したその内容は「光体をブラックホールにぶち込めばその反動で何とかなるんじゃね」という理論の欠片も見つからないものであった。
 その後は淡々とその筋に沿ってストーリーが進んでいくだけである。適当に光体を捕まえて、適当にブラックホールに放り込んだら適当に問題が何とかなっていた。めでたしめでたし。90分をドブに捨てたほのかな満足感が漂う瞬間である。


 もちろんちゃんとした見どころもある。巨大化したブラックホールによって研究所が崩壊するシーンがあるのだが、その際なんの意味も無くゲロを吐き便所にぶっ倒れたあげく救助に来た女兵士を巻き添えにして死ぬデブ。ブラックホールが発生する異常事態にも関わらず研究所が崩壊するまで何等の初動も行わず数千人の民間人死者を出した行政・軍警察。感動のラストシーンでは別れた元妻の眼前でヒロインと熱いキスを交わしながら娘を抱きかかえるサディスティックな主人公の姿が映し出される。その背後では軍人たちが主人公を「君は英雄だ」と褒めたたえている。ほんの数分前までは「核こそ全て」と絶叫していたとは思えないその変わり身の早さから学ぶべき処世術があるのかもしれないが、正直見習いたいとは思えない愚かな光景であった。

 

総合評価・星2つ(500円の価値無)

★★☆☆☆

 

以上