あらすじ
「終わり良ければすべて良し」
主人公は友達がいない小太りの少年。彼の心のよりどころは家で使っている中古のロボット。しかしロボは最近バグって話し出したり、食事に異物を混入したりする。修理工場に行くと、ピグモンみたいな汚いオッサンが「こんなゴミより新品を買えよ」とMOTTAINAI精神を発露する。
そして自宅には新品が。中古ロボは廃品回収に。主人公は親友を捨てられないと回収先へと潜入する。そこで彼は技術者たちの囁きを聞く。「この中古、ロボットが工業製品化する前のハンドメイドナンバーやんけ」「分解して研究しようや」「ちよう、ちよう、ばらばらにちよう」。当然主人公は中古ロボと逃げる。
工場で中古ロボの開発者名と以前の所有者の住所を入手した主人公は歩み出す。以前の所有者である父子に話を聞きに行くと、子が斧を持って中古ロボに切りかかる。理由は「ロボット、働く。俺、働かない。オヤジにディスられる。ムカつく」である。この救いようがない人類の恥に対して主人公は投石とタックルで戦いロボを守り、さらに以前の所有者の情報を手に入れる。
向かった先には、宿屋を営む母娘がいた。そこでさらに情報を得た主人公は娘と一緒にウォーキング。森の中でじゃれあいながら釣りしてパーリーピーポーである。しかし付き合っているうちに少年のダメなところに気づいた娘は直球という名の徹甲弾を斉射する。
「友達がロボだけってどうなの」「ロボットは命令を聞いているだけ」「自分に都合のいいことだけ要求するって、そりゃ友達いないはずだわ」。巡洋戦艦フッド轟沈レベルのクリティカルヒット。主人公は娘に「消えろ!」とシャウトする。
胸に苦しさを抱えながらたどり着いた開発者の居所。しかしそこには誰かがいた痕跡があるのみだった。そして中古ロボは完全に故障。主人公は泣く泣くその亡骸を葬る。ラストは、娘に己の自己中を謝って抱き合いハッピーエンドである。
ロボットとは命令関係にあるだけで友情が築けない前提の上に、人の多様性を認め友人をつくろうという流れにもってきたのは予想外でよかった。それでもあえて言うなら、前提に引っ掛かりがあると言えなくもない。ドラえもん観た後で同じこと言えるかという気持ちも捨てきれないが、そんな事言い出したらキリがないので止めるのがスジというものだろう。
総合評価・星3つ(500円の価値有)
★★★☆☆
以上