ワンコイン・ムービ-レビュー

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ゾンビキング

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あらすじ

「君臨すれど統治“できず”」

 

 マスクを被った変なオッサンとオバハンが夜道を爆走する職質レベルのシーンから物語は始まる。彼らは、かつて縁のあった性格の悪いオッサンレスラーがゾンビを相手にプロレスをするぜ!というアホみたいな興業を止めるためにガソリンを無駄遣いしていたのだ。

 

 特に何の脈絡も説明も無く「この世にはゾンビがおるんやで」と強引に押し込んでいくスタイルは、「トイレには綺麗な神様がいるんやで」クラスの神々しさを感じさせる。有無を言わせぬ力による強行突破。まるでエル・アラメインからのモントゴメリー攻勢である。

 

 会場についた彼らが目にしたもの。それはオッサンvsオッサンの普通のプロレスだった。ゾンビとの対戦は無い。でも観客は盛り上がってる。まあ楽しけりゃ何でもいいんじゃないっすかね、と思っていたら観客がゾンビに噛まれて次々感染。会場は大パニックに陥る。

 

 主人公達は性悪オレに「お前の興行用ゾンビが暴走したんちゃうんか」と詰め寄るが、性悪オレは「俺のゾンビちゃんは調教してあるからセーフティや」と笑顔あふれる水掛け論が展開される。

 

 なんやかんやで犯人を捜していると、一瞬で犯人が明らかになる。その名は「ゾンビキング」。何のひねりも無い。おそらく彼の脳には一筋の皺も無いだろう。キングはSM女とバカ男を部下にしてゾンビ部隊を作っていた。キングはこう宣言なさった。「街をゾンビで壊滅させる。次は州。そして世界征服だグハハハハ」。外国語の動詞活用もこれぐらい簡単だったらありがたいのだが。

 

 キング様の発言で注目頂きたい部分がある。それは「州」である。すなわちゾンビがいる世の中でも州政府が機能していることを示していると解釈して間違いない。ならばキング様のたどる道はどうなるか。頑張れば警戒心の薄い街の1つや2つは奪えるかもしれない。しかし暴動に気付いた州軍の出動により掃討戦が行われるのは待った無しであろう。陸と空、場所によれば海からの制圧によりキング(笑)がどうなるか是非見物したいものである。

 

 なお本編においてはキングは街1つ奪えず、主人公達レスラー軍団にゾンビ共々ボコボコにされてナンマンダブである。

 

 本作で擁護できる点はレスラーとレスラーのバトルシーンである。屋外が主な舞台であるゆえ、リングの様に猛烈に相手を叩きつけるようなことはしないが、相手の巨体をかついて振り回したり、お互い立ち止っての殴り合いパワーバトルはまともなものである。でもやっぱりゾンビのレスラーが見たかったなあ…。

 

 

総合評価・星2つ(500円の価値無)

★★☆☆☆

 

以上