ワンコイン・ムービ-レビュー

ワゴンセール等で500円程度で投げ売りされている映画を愛するブログ

キッズ・リベンジ

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あらすじ

「欠点がある男ってステキ!」

 

 両親の再婚により、田舎の一軒家に引っ越してきた四人家族。しかし、それぞれの連れ子である義姉は勝気な都会的女子、義弟は全くしゃべらない無口な子。性格の不一致と急な引っ越しで、2人の関係は良いものではなかった。

 

 それでも新生活を作っていこうとしていた矢先の事であった。彼らの元に麻薬・売春・賭博等総合商社のセールスマンが現れ、Give me money を主張する。実は父はマフィアの金庫番をしていたのだ。結局両親は殺されてしまい、口封じのために姉弟もターゲットとなる。

 

 しかし姉弟を捕らえに行ったマフィアは金属バットで顔面をマッサージされたあげく、カッターを分解した即席ブービートラップで手の平を裂傷する。ちょうどそのころ都合よく、家探しをしていた別のマフィアが弟に関する医療ファイルを発見する。弟はかつて学校でイジメを受けて性格が暗くなってしまった。しかし彼はヒキコモリストや自宅施設警備業務員へのキャリアアップを拒んだ。彼の選んだ道は「コンバットバイブルを熟読し、いじめっ子をブービートラップにより各個撃破」するというものであった。戦果は上々。あるガキは半身不随に、あるガキは片目失明である。完全に生まれる時代を間違ってしまったとしか言いようがない。世が世なら彼は誇り高きべトコンとして米帝や南の傀儡政権軍相手に常勝将軍となれる器であっただろう。

 

 彼のその匠の技はとどまるところを知らない。逃げたと見せかけて、しなった枝を鞭状に固定、追撃してきたマフィアの両膝を粉砕する。自動車用バッテリーをつるべ落としトラップにしてマフィアの頭頂部をカチ割ろうとする。車の警報器を複数位置から鳴らして相手を動揺させた隙にダガーナイフで後頭部を刺突するなど、その柔軟な発想力はUSJ並みである。

 

 最後に残ったオッサンも、ここまでズタズタにされていながら「ガキの分際でぇぇぇ」とか言っちゃってる。案の上、彼は、血の付いた、どう見ても怪しいクーラーボックスに隠し金が入っているとステゴサウルスレベルの大きさの脳で判断してその蓋を開ける。もちろん中身は弟の仕掛けた着火式トラップでオッサンは燃え燃えになったあげくマキビシを踏みまくり、階段から逃げようとするもタンスを上から落とされて首の骨折って死んだ。

 

 本作の良いところは、安易に銃に頼らないところである。ガキが銃で人を殺しまくる絵面はどうなのかという問題も制作側にはあったのかもしれないが、のび太じゃあるまいし、ガキの正確な射撃でドギューンズギューンやられるよりはブービートラップによる知能戦でホームアローンするという方向性は良い選択だっただろう。

 

 また、弟のサバイバル能力も完璧ではないところが良かった。いじめっ子には無双できても相手は場数を踏んだマフィアである。意図したとおりにトラップが効かずに窮地に陥る場面もある。そこで勇気を出して弟を守ってくれるのが姉なのである。戦闘教本を読んで「はい、オレ最強」ではないのである。

 

 「人という字は支え合って書くんだよ」と、本作は姉と弟が支え合ってマフィアをぶっ殺す人道的作品として評価できる。

 

 

総合評価・星4つ(ステキやん?)

★★★★☆

 

以上