ワンコイン・ムービ-レビュー

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バイオハザードX

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あらすじ

ウォーキング・デッド(視聴者にとって)」

 

 わけのわからん企業によって、2人の囚人のオッサンがよくわからん星に送り込まれる。その任務は「X」を回収すること。わけがわからない設定だが、ストーリーが進むにつれて状況説明がなされるのは当然のことであろう。しかしその期待は、かつてパリを守り抜いた英雄マルモンの背信を彷彿とさせる形で履行された。

 

 本作の視聴時間は98分、その内50分はオッサン2人のウォーキングシーンである。その過程では丁寧な背景説明がなされる。「Xってなんだ」「わからん」、「助けを呼ぼうぜ」「来ねぇよ」、「もう嫌だ」「やるしかないだろ」これが延々50分続くのである。何が悲しくて貴重な週末に外人オヤジのグチを聞かなければならないのか?DVDを挿入した後、50分ウォーキングして帰ってきてから視聴を開始しても問題無いと言えば、いかに本作が愚かであるかわかっていただけるだろう。

 

 そして目的地で見つけたのはゾンビでも何でもない小汚いデロデロのハゲである。こいつは精神攻撃によりオッサン2人を攻撃する。すでに本作から精神攻撃を受けている身からすれば何の同情も湧かないことは自明である。オッサン達がやられそうになった時、1人の仮面戦士が現れる。戦士は「キリストの御名の元にうんちゃらかんちゃら!」と叫びブロードソードを振り回す。ハゲは炎の呪文を繰り出し、戦士は雷の呪文を繰り出す。一体これのどこがバイオハザードなのか。監督は軍法会議公開処刑されるべき低脳であることは間違いない。

 

 戦闘がひと段落してから、仮面戦士の正体が明かされる。それはパッケージの女である。彼女は「父親があのハゲに殺された」「私は13年間戦ってきた」というが、父が殺された経緯や戦い続けた意味については説明皆無である。この女、オッサンに「貴方は私が守るわ」と断言しておきながら、その数分後には「さっさと消えろボケ」と吐き捨てたりする一貫性のある傑物である。「一度約束した事は守らないといけない」と意志を貫き不遇の死を遂げた范増の背中の膿を煎じて飲ませてやりたい。

 

 結局ラストはオッサン1人死亡、生き残ったもう1人のオッサンにはハゲが憑りついてファッキンエンドという素晴らしいオチである。

 

 バイオハザードシリーズは、ゲームでも映画でも作風や演出を変え進化してきた。賛否両論入り混じる変更点は多々見られるも、ブランドとして努力を続けている。しかしXについては否の意見はあれど賛の意見は無いと断言できる。1時間近く視聴者をコケにしたウォーキング動画を垂れ流したあげく、バトルシーンはまるでカルト教団のタコ踊り。本作を店頭で見かけた際には全力で無視して記憶から抹消することを強くお勧めする。

 

 

総合評価・星1つ(神が憐れむレベル)

★☆☆☆☆

 

以上